こんばんは、猫田です。
2015年頃からじわじわとしかし確実に押し寄せている酒類業界の大きなトレンドがあります!
それは…“ジンブーム”です。
ジン、もとい国産ジンは、昨年今年でドンっとピークを迎えたわけではなく、数年というスパンで堅調に売り上げを伸ばしている分野となっています。
そんなジンブームの中、サントリースピリッツから“翠ジンソーダ缶”が新発売されました!
翠ジンソーダ缶とは…
・サントリーが製造するジン ”翠(SUI)” を
・ジンベースのシンプルなカクテル ”ジンソーダ” として
・すぐに飲める ”缶” のスタイルで
2022年に新発売されたお酒です!
2022年2月15日にコンビニ限定で先行販売され、2022年3月22日から本格的に全国発売されました!
実はこのお酒…単なる缶チューハイの新商品ではありません!
ビールやウイスキーといったお酒の主力ジャンルに「ジン」が並ぶかを左右する「2022年最も注目すべき新商品」なのです!
この理由については、記事の後半でご説明します。
「ジン好きとして、飲んでみないわけにはいかない!」
…ということで、
先行発売の当日に飲んでみた率直なレビューに加え、何度か飲んでみた感想をお伝えします!
■この記事の内容
・翠ジンソーダ缶の基本情報
・翠ジンソーダ缶の「率直な」レビュー
・翠の基本情報
・翠ジンソーダから見るジンブーム
■筆者「猫田」について
・元某ビール会社社員
・趣味はお酒を飲むこと、バー巡り、カクテルづくりです
・特に好きなお酒はジン
・ジンだけで30銘柄以上を飲み比べています
・お酒の情報に特化したブログ「猫田の酒ブログ」を運営しています
翠ジンソーダ缶の基本情報
まず、翠ジンソーダ缶のベースのお酒となっている「翠(SUI)」は、サントリースピリッツが2020年3月に国産のジンとして発売したお酒です。
六角形のこちらのボトルに見覚えがある方も多いと思います。
「翠(SUI)」の情報は後程解説します。
この翠の飲み方として“翠ジンソーダ”は以前から提案されていました。
氷を入れたグラスに
翠:ソーダ(炭酸水)=1:4
を入れて1回転混ぜるだけ。
爽やかな香りと味わいが色んな食事にマッチする
…ということで食中酒としての提案をメインにしていました。
そして今回発売される”翠ジンソーダ缶”は、翠のおすすめの飲み方であり、新たなジンの楽しみ方としておススメされている”ジンソーダ”を、気軽に缶チューハイとして楽しめるお酒になっています!
桜井ユキさん、東京03角田さんが出演するCMの
「それはまだ、流行っていない」
このセリフに興味を惹かれた方も多いのではないでしょうか。
<基本情報>
350ml 175円(税抜き) 7%
500ml 237円(税抜き) 7%
最近人気の7%RTDですね。こちらもしっかり流行りを抑えています。
<発売スケジュール>
2022年3月22日(火)発売
2022年2月15日(火)コンビニ先行販売
<原材料>
スピリッツ(国内製造)、糖類 / 炭酸、酸味料
<エネルギー>
41kcal / 100ml
7%のチューハイにしてはかなり抑えたカロリーになっています。
<販売状況>
こちらは全国を調査できているわけではなく、猫田の主観ですが…
2022年4月現在コンビニでも2列以上を保っている店舗が多く、スーパーでもポップを見かけることが多いため、サントリーが力を入れているということに加えて、2月の初動で失敗した様子は全くないように見受けられます。
今後の動きにも目を光らせていきたいと思います!
翠ジンソーダ缶のレビュー
甘くない!!!
まずはこれだけ伝われば十分です。
現在料表示には、
スピリッツ(国内製造)、糖類/炭酸、酸味料
という記載になっており、買うときに「糖類?」が気になっていました。
万人受けする甘めの味わいに仕上げたのかな…
と飲む前は心配になっていました。
ただ一口飲んでみて脱帽しました!
ジンとソーダにしっかりフォーカスした、全く丸く収まらない、かなり挑戦的な「ジンとソーダのみの味わい」です。
つまり!
好き嫌いは分かれると思われます!
甘いお酒が飲みたい方にはおすすめできません。
サントリーさんごめんなさい…
でも猫田は好きですよ。
では一度落ち着いて、真面目にレビューしていきます。
ソーダで割っていますがジュニパーベリーの香りは程よく感じられます。
RTDとしてここまでジンの香りを出せるのは素直にすごいと思います。
さらに柑橘系の爽やかな香りもあります。
翠は柚子をボタニカルとして使用しているため、柚子の香りですね。
口に含むと、ふわっと香りが広がり、すっっと風味が消えていきます。
ピリッとする味わいはあまり表には出てきていない印象ですが、ボタニカルに使用されている生姜が後味のキレに寄与していると思われます。
あとは緑茶の旨味・まろやかさ…
猫田個人の感想としては、味わいというよりも香りで緑茶のリラックスできる香りを感じる印象でした。
このあたりの「使用されているボタニカル(植物)をどのように感じるか」はジンを楽しむ醍醐味と言えるでしょう。
是非、翠人ソーダ缶を飲んでみて各ボタニカルの香りや味わいを探してみてください!
結論!
極めてクセが少なく、ちゃんと甘くないジンソーダです。
サントリーさんの提案通り、食中酒としておススメできます。
これだけで飲むのは…正直物足りない印象です。
食中酒として提案していますので、それも分かってこの味にしていると思われます。
翠ジンについて
今回発売される「翠ジンソーダ」のベースとして使用されているジン「翠(SUI)」について解説します。
爽やかな柚子の香り
まろやかな緑茶の風味
キリッとした生姜の後味
「翠(SUI)」は2020年3月から発売されている、サントリースピリッツのジンです。
六角形の爽やかな印象のボトル。
中心に、でもこっそりと描かれているのはカワセミとのこと。
「翠(SUI)」は、伝統的なジンの8種類のボタニカル(ジュニパーベリー、コリアンダーシード、アンジェリカルート、アンジェリカシード、カルダモンシード、シナモン、ビターオレンジピール、レモンピール)に加え、柚子・緑茶・生姜という3種の和素材を使用しています。
翠(SUI)自体も食事に合わせるスタイルで、ジンソーダ(SUI:炭酸水=1:4)の飲み方を提案しています。
ちなみに猫田も、翠でつくったジンソーダに何が一番合うのか検証してみました。
こちらの記事で、おすすめの飲み方・失敗した飲み方をご紹介していますので、もしよかったらこちらもご覧ください!
なんと、2021年の販売数量は前年比236%という好調ぶり。
国産ジンのブームを、“主張しない食中酒”という側面から支えています。
翠ジンソーダ缶の通販は3月22日からですが、翠(SUI)は購入できます。
翠ジンソーダ缶と手作り翠ジンソーダを比較してみたい方は是非!
翠ジンソーダ缶から見るジンブーム
ジンブームは続いている?
ジンソーダをRTD、さらに缶で売り出す、という新たな提案。
ジンブームに対して大手の中では先駆けて手を打ってきた印象です。
まず、”ジンブーム”って本当にあるの?
という方はこちらの記事をご覧ください。
こちらの記事で詳細は解説していますが、
「新しい飲み方として”ジンソーダ”を提案し、それを気軽に飲めるように缶で発売した」
という点で、ウイスキーの地位を高めた”ハイボール”の事例と重なります。
冒頭述べた「2022年最も注目すべき新商品」とした理由は、ここにあります。
「翠ジンソーダ缶」は、酒類市場を大きく変化させるポテンシャルを秘めているのです!
競合他社は追随してくる?
「自社ブランドのジンのRTD」という点で、今回発売された「翠ジンソーダ缶」はビール大手・競合3社(アサヒ・キリン・サッポロ)が真似しづらい有効な戦略でもありました。
各社がなぜ真似しづらいのか…簡単に解説します。
キリンが販売するジンは「ギルビー」。
安価なジンとして位置を気づいているギルビージンですが、大本はイギリスの酒造メーカー「ディアジオ」の傘下「W&Aギルビー社」のブランドです。日本の都合でRTD展開をするのはハードルがあると思われます。
サッポロのジンは「ボンベイサファイア」。
四大ジンの一角であり、世界中で愛されているプレミアムジンです。
ただし、ボンベイはバカルディ社の子会社ボンベイスピリッツ社のブランドであり、有力ブランドであることがここでは負に働き、日本都合でのRTD展開はハードルが特に高いと思われます。
唯一アサヒは対抗手段を持っています。
「ニッカカフェジン」という、アサヒのジンブランド(ニッカはアサヒのグループ会社です)があるため、RTD展開も比較的ハードルは低いでしょう。
ただし、カフェジンは普段飲みというよりは、カフェスチルを使用した製造方法の希少性、まろやかな味わい、を売りにしており普段飲みのRTDとの結びつけるのが難しそうなのは事実。
…そうです。
サントリー以外のビール大手3社は、ジンブームに乗るためのジンベースRTDを打つ手段(打ちやすい手段)を持ち合わせていません。
サントリーは「ビーフィーター」の販売も担っていますが、「翠(SUI)」や「六(ROKU)」などサントリーが製造元となる自社のジンを持っていることが強みです。
今回の翠ジンソーダ缶はその強みを存分に活かした戦略と言えるでしょう。
期待したいのは国産のクラフトジン蒸留所…
しかし、缶製品をバリエーションに加えるのはなかなか簡単ではないのも事実です。
瓶に充填するのと、缶に充填するのではあまりに勝手が違います。
ビール醸造所も兼ねる蒸溜所には可能性がありますが、ハードルはなかなか高いでしょう。
…ということで、しばらくはジンRTDの分野はサントリーの独壇場になると見ています。
“翠ジンソーダ缶”がヒットすれば一人勝ち状態になってしまうでしょう。
もちろん!翠ジンソーダ缶の売れ行きがどうなるか…によって、各社の動きが変わってくるともいえます。
猫田の酒ブログでは、酒類市場全体に影響を及ぼしかねない「翠ジンソーダ缶」の今後を注視し、動きがあればご報告させていただきたいと思っております!
まとめ
近年トレンドのジンブームに対するサントリーからの一手!
“翠ジンソーダ缶”をレビューしました。
香味も強気の甘くない爽やかな味わいでした。
食中酒としては非常におススメです。
ジンソーダだけで飲むには、正直やや物足りない印象です。
ライバル企業が真似できない分野で、その分野の流行を加速させる、攻めの一手の新商品でした。
ジンソーダがハイボールに続いていくのか注目です!!
翠以外のジンを試してみたい方はこちらの記事もご覧ください!
ちなみにジンはプレゼントにもおすすめです!
翠のレビュー記事はこちらです。