【ジン銘柄紹介】GORDON’S(ゴードン)の解説とレビュー!

こんばんは。猫田です。

四大スピリッツの一つである“ジン”は、若い世代を中心に非常に人気のあるスピリッツです。
最近では、クラフトジンブームもあり、様々なジンが世界中で造られるようになっています。

さて、そんなジンの特徴といえば
”ジュニパーベリー”で香りづけされていること。

…不躾ながら一つ質問です。
ジュニパーベリーの香り、正しく想像できているでしょうか。

様々なジンが出てきているので、時々わからなくなることもあると思います。

しかし、それではせっかくの個性的な銘柄の味わいを持つジンの魅力を100%楽しむことはできません。
やはりスタンダードなジンの味わいを抑えておくことは、クラフトジンを楽しむ上で必須と言っても過言ではありません。

そこで!”スタンダードなジン”、”ジュニパーベリーが香るジン”としておススメしたいのが、
GORDON’S LONDON DRY GIN
(ゴードン ロンドンドライジン)

ジンを代表する銘柄のひとつであり、熱狂的なファンが多い銘柄でもあります。

・ジンらしいジンを探している人
・ジンの代表的な銘柄について知っておきたい人
には、是非読んでいただきたい内容となっています!

■本記事の内容
・ゴードンの基本情報
・ゴードンのレビュー
・ゴードンおすすめのカクテル

■筆者「猫田」について
・某ビール会社で生産管理の業務に携わっていました。
・趣味はお酒を飲むこと、バー巡り、カクテルづくり。
・特に好きなお酒はジンです。
・お酒の情報に特化したブログを運営。

ゴードンの基本情報

概要

名称:GORDON’S LONDON DRY GIN
   ゴードン ロンドンドライジン

概要:長い歴史を持つ重厚感のあるロンドンドライジン。

特徴:ジュニパーベリーの香りが強い、重厚感のある辛口の香味。

度数:37.5%, 40.0%(小瓶), 43.0%

価格:約1,600~1,800円(700ml)

ゴードン ロンドンドライジン(以下、ゴードン)は、世界中で最も人気のあるスタンダードジンの一つであり、バーには必ずと言っていいほど置かれている銘柄です。

メーカーは長い年月で合併や吸収を繰り返していますが、代表的な会社としては、「Gordon & CO」、「Tanqueray Gordon & COがあり、現在は世界一位の蒸留酒メーカー「Diageo」のブランドとなっています。
ただしゴードンの起源となるのは、1769年にロンドンでアレクサンダーゴードン氏が設立した蒸溜所です。
創業250年以上という長い歴史を持つ蒸溜所の看板銘柄となっています。

また、1925年にジンとして初めて“ロイヤルワラント(英国王室御用達)”の認定を取得しており、ジンの地位向上に一役買っています。

外観

ゴードンの外観

高さ:27.5cm
横幅:7.5cm
※700mlボトルの大きさです。プレゼント等で梱包する際の参考にしてください。

■持ち方
とても持ちやすい細長いボトルですので、持ち方で悩むことはないでしょう。

■銘柄表記について

The Original
GORDON’S LONDON DRY GIN
IMPORTED
(日本で見かけるのは輸入品用のボトルであり“IMPORTED”の記載があります)

■イノシシのマーク

ゴードン一族が狩猟中に、イノシシからスコットランド王を救ったことに由来しており、勇気と決断力の象徴としてボトルに描かれています。

ボトル正面の中心に描かれているほか、裏側にはボトルそのものにイノシシのマークがデザインされています。

■ジュニパーベリーのイラスト

ジンの製造に必須のボタニカル“ジュニパーベリー”のイラストが、ボトル正面に描かれています。

■蒸溜所・創設者の印字

ボトル正面の下部には、一見目立たないものの
ESTD
LONDON
1769
という文字が書かれています。

ESTDは、established(設立された)の意味。
つまり、1769年ロンドンにアレクサンダーゴードン氏が設立した蒸溜所を示しています。
このほかにもキャップなどに「ALEXANDER GORDON」の文字が複数印字されており、創立者へのリスペクトが感じられます。

製造方法

レシピは、創業当時のレシピ(1769レシピ)を守っており、世界中で12人のみが知っている門外不出のレシピと言われています。

そのため、使用されているボタニカルはわかりませんが、ジンの基本ボタニカルである“ジュニパーベリー”の香味を強く引き出していることが、製品の味わいからわかります。

受賞歴

ゴードンはさすがの受賞歴ですね。
2017年にはIWSCでGold, SFWSCでDouble Goldと華々しい結果を収めています!
(ISCにもエントリーしていてほしかった…)

ここでは、ISC, IWSC, SFWSCの2013年~2021年の結果をご紹介します。

ジンのコンペティションにどのようなものがあるか、についてはこちらの記事で解説しています。

ちなみに、ゴードンにはTraveller’s editionという47.3%のバージョンがあります。
(免税店向けでしょうか)

後程ご紹介するリニューアルで消えてしまった47.3%が楽しめる銘柄です。
この結果では、括弧書きでご紹介します。

■ISC

2021年:Silver(Traveller’s edition: Gold)
2020年:Silver(Traveller’s edition: Silver)
2019年:Silver(Traveller’s edition: Gold)
2018年:ー
2017年:ー
2016年:Bronze
2015年:ー
2014年:ー
2013年:ー

■IWSC

2021年:ー
2020年:Bronze(Traveller’s edition : Silver)
2019年:Bronze(Traveller’s edition : Silver)
2018年:Silver
2017年:Gold(Traveller’s edition : Silver)
2016年:Silver
2015年:ー
2014年:ー
2013年:ー

■SFWSC

2021年:ー
2020年:Silver(Traveller’s edition : Silver)
2019年:Silver(Traveller’s edition : Gold)
2018年:Gold(Traveller’s edition : Bronze)
2017年:Double Gold(Traveller’s edition : Double Gold)
2016年:Silver
2015年:ー
2014年:ー
2013年:ー

話題

ゴードンは、近年バー業界を最も騒がせた銘柄でもあります。

その理由は「47.3%の終売・リニューアル」です。

2017年にゴードンはリニューアルをしており、
・ボトルデザインの変更
・アルコール度数の変更
がありました。

このアルコール度数の変更では、47.3%→43.0%、40.0%→37.5%、の変更がなされたため、47.3%のゴードンは飲むことができなくなりました。

それがなぜバー業界を騒がせたか…を簡単に解説します。
ゴードンには熱狂的なファンが多く、その理由の一つが「力強い味わい」でした。
しかし、一般的にアルコール度数を低くするとボディ感が軽くなるとされており、リニューアルではこれまでのゴードンで最も度数の高い47.3%がなくなることで、ゴードンの特徴であった「力強い味わい」がなくなってしまうのでは…と懸念されました。

そのため、バーテンダーを中心に、47.3%の終売にあたり買い溜めを行うという動きが活発になりました。
実際に他県まで足を運んだり、数百本という数を仕入れたり、ということがあったようです。

リニューアルによって味がどの程度変わったのかは、人により印象が大きく異なる、というのが実情のようです。
重厚感がなくなってしまったと感じる方もいれば、アルコール感が薄れるだけで味の深みは変わらないと感じる方もいるようです。

現在では47.3%のゴードンを購入するのは難しいと思われますが、もしバーに置いてあれば飲んでみて損はないでしょう。

ゴードンのレビュー

香味特徴

一言でいうと、“力強いジン”です。

スタンダードなジンでありながら、“ジュニパーベリー”の特徴がガツンと強く出ており、重厚感のある辛口な仕上がりです。
その一方で、口当たり自体はなめらかで飲みやすいジンでもあります。

ジンらしさを前面に出した味わいであり、世界中で熱狂的なファンが多い銘柄となっています。

しっかりと特徴があるジンのため、トニックウォーターで割ってジントニックにしても、ゴードンらしい味わいがしっかりと感じることができます。

世界で初めてジントニックに使われたジンということもあり、The GIN & TONIC(G&T)を名乗るのにふさわしい銘柄です。

おすすめのシーン

・ジントニックを飲みたい

トニックウォーターの味に負けず、しっかりとマッチするジュニパーベリーの香りは、ジントニックには最適のジンであるといえます。

・ジンを初めて飲む

ジンとはどういうお酒か、を味わうには「ジンらしい」特徴を前面に出したゴードンを飲むのが良いでしょう。
やはりジンを語るうえでは、ゴードンは避けては通れない銘柄だといえます。
クセが強い…辛口…と感じるのであれば、少しすっきりとしたビーフィーターやタンカレー、豊かな香りのボンベイ、というように他の銘柄にうつっても良いと思います。

ゴードンおススメのカクテル

ジントニック(ライム)(★★★★★)

ゴードンジントニック
<つくりかた>
ゴードン ロンドンドライジン……45ml
トニックウォーター……………………適量
カットライム………………………………1/6個
氷とライムを入れたグラスにジンを注ぎ、トニックウォーターで満たして軽く混ぜます。

ジントニックと言えばこれです!

トニックウォーターの味に負けない、ジュニパーベリーの香りが楽しめる「The Gin & Tonic」呼べる味わいです。
他の銘柄でつくったジントニックと比べ、重厚な味わいのため満足感がかなりあります。

ちなみに…
ゴードンは特徴が強いので、さらにガツンとした一杯をつくるために…「ライムを3切れ(1/2個)入れる」という暴挙にも出てみました。

結論としては、さすがにここまでライムを入れてしまうとライムが勝つ、ということが分かりました。
ジンの味わいも感じるし、美味しくないわけではないんですけどね…

正しく味わうには、ライムは1切れか多くても2切れまでがよさそうです。

ジントニック(レモン)(★★★★☆)

ゴードンジントニック(レモン)
<つくりかた>
ゴードン ロンドンドライジン…………45ml
トニックウォーター ………………………適量
カットレモン …………………………………1/6個
氷をいれたグラスにジンを注ぎ、トニックウォーターで満たして軽く混ぜた後、カットレモンを飾ります。

こちらはレモンを添えたジントニックです。

レモンの甘味が引き出されて、強いジュニパーの香りとマッチし、バランスのよい仕上がりになっています。

力強さだけでなくさわやかさも出せるバランスのいい一杯です。

ジンリッキー(★★★★☆)

ゴードン_ジンリッキー
<つくりかた>
ゴードン ロンドンドライジン…………45ml
レモン………………………………………………1/4個
ソーダ………………………………………………適量
氷を入れたグラスにライムをしぼって入れ、ジンとソーダを入れて軽く混ぜます。

ジュニパーベリーの香りを楽しむにはこの飲み方!

アルコール感も薄れ、他に邪魔するものがないカクテルになっています。

レモンが爽やかさをプラスしてくれるので非常に飲みやすい一杯です。

ジンライム(★★★☆☆)

<つくりかた>
ゴードン ロンドンドライジン……………45ml
ライムジュース …………………………………15ml
カットライム ……………………………………1/4個
氷を入れたロックグラスにジンとライムジュースを注ぎ、混ぜ合わせます。

今回はカットライムも入れてみました。

ジュニパーベリーの香りにライムジュースの甘味が加わり、とてもどっしりとした味わいのカクテルになっています。

さいごに

今回は、GORDON’S LONDON DRY GIN(ゴードン)について解説してきました。

王道のジンでありながら、力強い辛口の味わいに熱狂的なファンが多い銘柄でもあります。

ちなみに猫田の最も好きな銘柄です。

ジンの定義や製造方法など基礎知識については、こちらの記事をご覧ください。

その他のジンの銘柄についてはこちらの記事をご覧ください。

ジン初心者の方におすすめしたいジンはこちらの記事で紹介しています。