【図解】スピリッツの賞を解説!評価の高いお酒がわかる!

こんばんは。猫田です。

家飲みの機会が増えたという方多いのではないでしょうか。
家飲みをおしゃれにするために、家で簡単なカクテルを作る方もいるかと思います。

そこで生じる一つの問題が「どのお酒を買うか問題」

あなたは何を基準にお酒を選んでいますか?
ネットの口コミでしょうか?
スーパーや酒屋で直観でしょうか?

自分好みのお酒に出会うこともあると思いますが、缶ビールや缶チューハイではなく、ジンやテキーラなどのスピリッツの場合は1本あたりの量も多いため、ハズレを引いた時のショックは大きいことでしょう。

そんな時頼りになるのが、「プロが評価した」という基準
つまり賞を獲得しているかどうか
です。

この記事では、四大スピリッツ(ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム)のコンペティション、そこで得られる賞にどのようなものがあるかを紹介します。

ただし、出品するだけで簡単に獲得できる賞では意味がない!

…ということで
各コンペティションの出品数と受賞数を比較し図解しました。
客観的そして視覚的に各賞の難易度がわかるようになっています。

・お酒を購入するときの基準が欲しい
・スピリッツに関する賞にどんなものがあるのか知りたい
という方には是非読んでいただきたい記事になっています。

■四大スピリッツとは

まず、”四大スピリッツ”とは
・ジン
・ウォッカ
・テキーラ
・ラム
という蒸留酒を指します。

カクテルのベースに使われることが多いお酒ですが、それ自体で飲んでも美味しいものはたくさんあります。
また、蒸留酒は、日本酒やワインなどの醸造酒と比べカロリーが低いことで注目されていたりします。
ただし、アルコール度数は40%前後が一般的であり、とても高いため注意が必要です。

それぞれ定義や製造方法については以下の記事で解説していますので、ご覧ください。

■各賞の比較

まずは、スピリッツのコンペティションについて、出品数と受賞数から、各コンペティションにおける受賞難易度を解説していきます。

詳細は後程解説しますが、スピリッツのコンペティションは以下の4つを紹介します。
・ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)
・IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)
・SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)
・TWSC(東京ウイスキー&スピリッツ・コンペティション)

各コンペティションの出品数と受賞数を図にまとめましたので、ご覧ください。
・賞の割合を帯グラフで表しています。
・賞の種類は表の右側に記載しています。
・バーの太さは出品数を表しています

この図を見ると、各コンペティションで上から2つの賞は、上位20%~30%以内になっているようです。

ただし、「Gold」を名前に持つ賞はコンペティションごとにばらつきがあるので注意です!
IWSCでは上位18%程度にのみ与えられているのに対し、SFWSCでは50%弱の銘柄に「Gold」以上の賞が与えられています。

「国際的な品評会でGoldを受賞!」と記載があっても、必ずしも選び抜かれた銘柄であるとは限らない、ということですね。

賞の割合について簡単にまとめます。

■ISCは最高位のTrophyは5%程度、Gold以上が27%と比較的バランスが良い。

■IWSCは最高位のGold Outstandingは上位1%程度、Gold以上は上位20%弱で比較的厳しめの評価。
出品数も3000以上と多く、規模も厳格さも素晴らしい。

■SFWSCは約3100銘柄と出品数の多さが光る。
ただし、Gold以上の賞が50%弱とやや甘めの評価。

■TWSCは賞のバランスは良いが、出品数の少なさが気になる。
国産のクラフトスピリッツも多く出品しており、受賞した銘柄が手に入りやすいのは魅力。

それでは、各コンペティションの詳細について、解説していきます!

■各コンペティションの詳細

ISC

【正式名称】
International Spirits Challenge
インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ
サイトリンク

【概要】

イギリスで毎年開催される酒類全般のコンペティションです。
イギリスの種類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催。

三つのジャンルに分かれており、香味を評価対象にした「テイスティングアワード」、デザインを評価対象にした「デザイン&パッケージングアワード」、蒸溜所の魅力を評価対象にした「スピリッツツーリズムアワード」があります。(この記事では、香味の評価に着目していますので、「テイスティングアワード」について解説します。)

さらに、「ウイスキー」や「ウォッカ」など、お酒のカテゴリごとに27カテゴリに分けて審査されます。

【出品数】

ISCの出品数は、約2000銘柄となっています。

お酒のカテゴリで27カテゴリに分類されており、ジンでは「ジン&ジュネヴァ」、ウォッカでは「ウォッカ」、テキーラは「テキーラ」、ラムは「ラム&ケインスピリッツ」がそれぞれ該当します。

トータル:1,909エントリ
ジン&ジュネヴァ部門:299エントリ
ウォッカ部門:104エントリ
テキーラ部門:59エントリ
ラム部門:146エントリ

※2021年の出品数(テイスティングアワード)を集計しています。

【賞について】

ISCでは、「トロフィー」「ダブルゴールド」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の5段階で評価しています。

トロフィー:52銘柄
ダブルゴールド:37銘柄
ゴールド:552銘柄
シルバー:919銘柄
ブロンズ:349銘柄

※2021年の受賞数(テイスティングアワード)を集計しています。
エントリ数は1909銘柄ですので、上記いずれかの賞を受賞できるということになります。

IWSC

【正式名称】
International Wine and Spirits Competition
インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション

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【概要】

こちらもIWS同様にイギリスで開催される酒類全般のコンペティションです。
1969年から開催されている歴史あるコンペティションでもあります。

香味を評価するテイスティングの他に、Additional Awardとしてデザインなどの賞があります。
テイスティングでの評価はワイン部門とスピリッツ部門、酒(日本酒)、ベルモットに分けて審査されます。

【出品数】

テイスティングアワードでは様々なジャンルに分けて審査されますが、2021年のスピリッツ部門では3,099銘柄がエントリしていました。

【受賞数】

スピリッツは100を最高評価としてスコアリングされ、その値に応じた賞が与えられます。

Gold Outstanding(Trophy):98-100
Gold:95-100
Silver:90-94
Bronze:85-89
95以上のスコアがつけられたものは再度審査され、特に優れたものに最高位の「Gold Outstanding(Trophy)」が与えられます。

2021年のスピリッツカテゴリーでの受賞数は以下の通りとなります。

Gold Outstanding:24銘柄
Gold:472銘柄
Silver:1306銘柄
Bronze:1263銘柄

SFWSC

【正式名称】
San Francisco World Spirits Competition
サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション

サイトリンク

【概要】

アメリカ最大のスピリッツのコンペティション。
2000年から開催されています。

ホワイトスピリッツ、ウイスキー、ブランデー、リキュールなどカテゴリごとに分かれています。
アメリカのレストラン、流通バイヤー、ジャーナリストなどの審査員によって審査されます。

【出品数】

今回紹介するコンペティションのうち最多出品数となります。

テイスティング部門:3098エントリ
※2021年の出品数を参考に作成

【受賞数】

Platinum:0銘柄
Double Gold:714銘柄
Gold:782銘柄
Silver:1222銘柄
Bronze:371銘柄
※2021年の受賞数を参考に作成

この賞の他にも、各カテゴリ(クラス)ごとに最高の銘柄を選出しています。
ほとんどの賞が受賞されますが、全てのエントリに必ず与えられるわけではありません。

TWSC

【正式名称】
東京ウイスキー&スピリッツ・コンペティション

サイトリンク

【概要】

日本発のウイスキー&スピリッツのコンペティションです。
2019年に始まった新しい品評会でもあります。

【出品数】

376エントリ
※2021年の出品数

【受賞数】

TWSCには、最高金賞、金賞、銀賞、銅賞の4つの賞があります。

最高金賞:17銘柄
金賞:85銘柄
銀賞:183銘柄
銅賞:91銘柄

■まとめ

この記事では、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムが対象となる国際的なコンペティションとして、
・ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)
・IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)
・SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)
・TWSC(東京ウイスキー&スピリッツ・コンペティション)
を紹介しました。

これらのコンペティションは、スピリッツ以外のお酒も審査対象となっています。

お酒のラベルや商品の紹介ページで、これらのコンペティションでの受賞歴が記載されていることも多いので、国際的に評価の高いお酒を探すときに参考になるかと思います。

なお、2021年の受賞銘柄をこちらの記事で紹介しています。