【ウォッカとは…】ウォッカの定義・原料・製造方法・種類・代表銘柄を一挙解説!

この記事では四大スピリッツの一つである「ウォッカ」について
・定義
・原料
・製造方法
・主な種類
・代表銘柄
を解説していきます。

ウォッカとは…

ウォッカとは、
大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料として糖化・発酵・蒸留した原酒を白樺炭にてろ過した蒸留酒”
です。

ポイントは「白樺活性炭によるろ過」です。
これにより多くの物質が除去され、クセが少なく無色・無味・無臭のウォッカが出来上がります。

そのクセの少なさからカクテルの材料として重宝されています。

ウォッカを科学的に分析してみると、水とエチルアルコール以外の成分はほぼゼロになります!
このことからも、ウォッカとはエチルアルコール本来の味を伝え、他のお酒や割材と調和しやすい、お酒であるといえます。

ちなみに、「ウォッカ」の名前の由来は何でしょう。

ウォッカの先祖は「ズィズネニャ・ヴォダ」というロシアのお酒である、という説があります。
この代わった名前はロシア語で「生命の水」という意味があります。

16世紀ごろから、このズィズネニャ・ヴォダから「ヴォダ」の部分だけがとられて、「ウォッカ」と呼ばれるようになったといわれています。

一方、ウォッカ(vodka)とはスラブ語で「水」を意味する「voda」であるともされています。

ウォッカの発祥地については、ロシアとポーランドがそれぞれ自国が発祥地であると主張し、法廷で争った過去があります。その結果、「ロシアが起源である」ということが決定づけられました。

ウォッカの原料

大麦の画像

ウォッカは大麦、小麦、トウモロコシなどを中心として、様々な穀物を原料に製造されます。

どのような穀物が使われるかは産地によって異なります。
しかし、原料による味の違いはあまりないとされています。その理由は次の項目で解説します。

ウォッカの製造方法

グレーン・スピリッツの製造(糖化→発酵→蒸留)

糖化:
大麦やライ麦などの穀物にはでんぷんが含まれています。
その「でんぷん」を分解し酵母がアルコール発酵に利用できる「糖」まで分解するための工程が糖化です。
なお、サトウキビなど初めから糖を含む原料の場合はこの工程は不要になります。

発酵:
糖化後の液に酵母を入れ、適切な温度管理します。
その環境下で酵母が増殖し、アルコール発酵を行うことで、糖からアルコールと二酸化炭素を生成します。

蒸留:
発酵後の液を連続式蒸留機等によりアルコールと水を分離しつつアルコール濃度を高めていく工程が蒸留です。
蒸留ではアルコールと水の沸点の違いを利用して、アルコールと水を分離します。

ここまでの工程で、ほぼ無色・無味・無臭のグレーン・スピリッツが出来上がります。

白樺活性炭ろ過

グレーン・スピリッツを水で割って濃度を調整した後にろ過を行います。
その後、ろ材に白樺の活性炭を用いてろ過を行うことで無色・無味・無臭のウォッカになります。
このろ過工程で不純物だけでなく、香りも取り除くことができます。

ちなみに、この白樺活性炭から溶け出したアルカリイオンによって、アルコールと水の結合が促され、まろやかな仕上がりになるという効果もあります。

このように「グレーンスピリッツの製造」と「白樺活性炭ろ過」がウォッカの製造方法であり、他のお酒との違いとして「貯蔵」がないことも特徴の一つと言えるでしょう。

ウォッカの種類

様々なウォッカの銘柄

ウォッカは特徴の少ないお酒ゆえあまり種類分けされることは多くありませんが、今回は生産国による分類を紹介します。

ロシアン・ウォッカ

ロシアでつくられるウォッカ。
小麦を原料に作られ、クセのないものから原料の甘味を感じられるものまで多種多様なウォッカがここに含まれます。

代表的な銘柄)スミノフ、モスコフスカヤ、ストロワヤ、ストリチナヤ

ポーリッシュ・ウォッカ

ポーランドでつくられるウォッカ。
原料のライ麦独特の風味が特徴的です。

代表的な銘柄)ズブロッカ、スピリタス、アブソルベント

アメリカン・ウォッカ

アメリカでつくられるウォッカ。
トウモロコシを原料にすることが多いです。

代表的な銘柄)スカイウォッカ

生産国による分類はこのほかにも、スウェーデン、フィンランド、ウクライナなど様々ありますが、目にする機会が多いものとして上記の3つを挙げました。

その他には香りによる分類で、レギュラーウォッカ(無色・無味・無臭)とフレーバードウォッカ(薬草などで香りをつけたもの)などもありますが、他のお酒と比べると種類分けされることは少ない印象です。

ウォッカの代表銘柄

さて、ここまでウォッカの定義から原料、製造方法、種類について解説してきました。
ここで「じゃあ何を買えばいいの?」という疑問に答えるべく、ウォッカの代表的な銘柄を紹介していきます。

ロシアン・ウォッカの代表銘柄

■スミノフウォッカ

日本でウォッカと言えばこの銘柄!

ロシアで生まれ、アメリカで育ったブランドです。蒸留回数は3回、その後長い時間をかけてじっくりとろ過をすることにより、高純度の無色透明な見た目、クリアな味わいを実現しています。カクテルのベースとして非常に優秀なウォッカであるといえます。「スミノフアイス」など、そのまま飲める製品も出しておりコンビニなどでも目にする機会は多いでしょう。

■モスコフスカヤ

ロシア三大ウォッカの一つ、キレのある辛口が特徴のウォッカです。
モスコフスカヤという名前はロシア語で「モスクワの」という意味を持ちます。

■ストロワヤ

ロシア三大ウォッカの一つ、すっきり感と柔らかい口当たりが感じられるウォッカです。
ストロワヤという名前はロシア語で「食卓の」という意味を持ちます。

■ストリチナヤ

ロシア三大ウォッカの一つ、比較的軽い飲み口が特徴的なウォッカです。
ストリチナヤという名前はロシア語で「首都の」という意味を持ちます。

余談ですが、ロシア三大ウォッカという括りはよくできていると感じます。
どれもロシアでは愛されている銘柄であり、辛口が好みなら「モスコフスカヤ」、柔らかい口当たりが良ければ「ストロワヤ」、軽い飲み口を楽しみたいのであれば「ストリチナヤ」と、好みや気分によって選べるというバランスの良さがあります。

ポーリッシュ・ウォッカの代表銘柄

■ズブロッカ

バイソングラスを漬け込んだウォッカです。

瓶内にバイソングラスが一本入れられている特徴的な見た目をしています。その起源は500年以上前といわれ、非常に長い歴史を持っている銘柄です。ポーランドの世界遺産「ビアヴォヴィエジャ」という森に自生するバイソングラスを漬け込んで造られます。

■スピリタス

アルコール度数96度という、あまりに高純度なお酒として知られているウォッカです。

成分のほとんどが純粋なエタノールであり、すぐに引火するため取り扱いに注意が必要です。タバコは厳禁。飲んだとたん刺すような痛みがありその先に甘味を感じる、とのこと(猫田はその境地にたどり着いていません…)。ストレートで飲むのは非常に危険です。

■アブソルベント

原料にライ麦を使用した甘味を楽しむことができるウォッカです。

カクテルのベースとしてはもちろん、冷凍庫でキンキンに冷やしトロトロになった状態でストレートで飲んでみても美味しいウォッカになっています。

アメリカン・ウォッカの代表銘柄

■スカイウォッカ

アメリカのサンフランシスコで造られるウォッカです。

いい意味で癖がなく、クリアな味わいであるため、カクテルのベースとして用いるのが一般的です。

まとめ

ウォッカとは、白樺活性炭でろ過をした無色・無味・無臭の蒸留酒。
余計なものをすべてそぎ落としたそのシンプルさが特徴!

以上!