こんばんは、猫田です。
近年、ジンはますます人気が高まっているお酒のひとつです。
ただ、いざ詳しく見てみると、「ロンドンドライジン」「オールドトムジン」「スロージン」など種類が多く、違いがわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなジンの種類をできるだけわかりやすく整理するために、ワールドジンアワード(WGA)で使われているカテゴリをベースに解説します。
さらに、各カテゴリで毎年選ばれている歴代のワールドベストジンもあわせて紹介します。
「ジンにはどんな種類があるのか知りたい」
「受賞歴のあるジンから気になる1本を探したい」
そんな方に向けて、図解も交えながらまとめました。
■筆者「猫田」について
・某ビール会社で3年間、生産管理の業務に携わっていました。
・趣味はお酒を飲むこと、バー巡り、カクテルづくり。
・特に好きなお酒はジンです。
・お酒の情報に特化したブログ「猫田の酒ブログ」を運営しています。
ジンの定義
まず最初に、EUにおけるジンの定義を簡単に見ておきます。
ただし、ここで紹介する分類は、この記事で主題にしているWGAのカテゴリ分けとは別のものです。
先に結論を書くと、EUの定義は「法律上・製造上の分類」であり、飲み手が「自分に合うジンを探す」ための分類とは少し性格が異なります。
そのため、ジンを楽しむうえでは細かく覚えなくても問題ありませんが、ベースとなる考え方として知っておくと整理しやすくなります。
EUでは、ジンは大きく次の3つに分けられます。
① Gin(ジン)
ジュニパーベリーで香りづけされたスピリッツで、最低アルコール度数は37.5%です。
また、ジュニパーベリーの香りが主体であることが求められます。
② Distilled Gin(蒸留ジン)
基本的にはGinの定義を踏まえつつ、ボタニカルの香りづけを再蒸留によって行うタイプです。
③ London Gin(ロンドンジン)
Distilled Ginをさらに厳格にした分類です。
甘味づけや着色に制限があり、蒸留後に加えられるものも基本的に水に限られます。
この3分類は、ジンの製法や規格を理解するうえでは役立ちます。
ただ、実際に飲む立場からすると、「今日はDistilled Ginの気分」と考えることはあまり多くありません。飲み手にとっては、法的な定義よりも、味わいやスタイルの違いで整理したほうがわかりやすいことが多いからです。
なお、ひとつ覚えておきたいポイントとして、ロンドンジンはロンドンで造られている必要はありません。
これは産地ではなく、あくまで製法・規格に関する名称です。
では、実際にジンを選ぶときには、どのように整理するとわかりやすいのでしょうか。
そこで次の章では、ワールドジンアワード(WGA)で採用されているカテゴリ分けをもとに、ジンの種類を見ていきます。
WGAのカテゴリ推移
まず、ワールドジンアワード(WGA)とは、World Drinks Awards のジン部門にあたる国際的なコンペティションです。
テイスティング部門とデザイン部門に分かれており、テイスティング部門ではカテゴリごとに「World’s Best Gin」が選ばれます。
この記事で注目したいのは、WGAではジンがカテゴリごとに整理されているという点です。
つまり、「ジン」とひとくくりにせず、スタイルの違いごとに評価しているため、ジンの種類を理解するうえでも参考にしやすい分類になっています。
こちらの図では、WGAにおいて2014年から2022年にかけてカテゴリがどのように変化してきたかを示しています。

パッと見てもわかるように、WGAのカテゴリは年を追うごとに細分化されています。
2014年には、トラディショナル、コンパウンド、コンテンポラリー、カスクの4種類だけでしたが、2025年には12種類まで増えました。
これは、ジンというお酒が多様化し、それぞれの個性をより細かく評価する流れが強まってきたことを示しているともいえます。
それぞれのカテゴリについてはこのあと個別に解説しますが、ざっくり整理すると次のように分けられます。
【一般的なジン】
・コンパウンドジン
・ロンドンドライジン
・ネイビージン
・クラシックジン
・コンテンポラリージン
・シグネチャーボタニカルジン
・カラーチェンジング・ジン
【甘味のあるジン】
・オールドトムジン
・フレーバードジン
・スロージン
【熟成したジン】
・マチュアードジン
【穀物感のある酒】
・ジュネヴァ
ここから先は、図の上から順に「どのようなカテゴリなのか」「歴代のワールドベストジン受賞銘柄」の2点をベースに見ていきます。
コンパウンドジン
コンパウンドジンとは
コンパウンドジンとは、グレーンスピリッツにボタニカルで香りづけをする際、再蒸留を行わないタイプのジンです。
香りづけの方法としては、ボタニカルを浸漬したり、香料を加えたりする形がとられます。
ジンというと蒸留して造るイメージを持たれがちですが、コンパウンドジンはそれとは少し異なる製法のカテゴリです。
そのぶん、比較的自由度の高い表現がしやすく、個性的な香りを持つ銘柄も多く見られます。
また、製法上の違いでロンドンドライジンなどとは区別されますが、だからといって品質が低いという意味ではありません。
実際には、有名な銘柄の中にもコンパウンドジンに分類されるものがあります。
歴代のワールドベスト・コンパウンドジン
Junimperium Barrel Finished Cherry Gin
ジュニンペリウム バレル フィニッシュド チェリージン
国:エストニア
受賞年:2025
評価抜粋:煮詰めた夏の果実やプラムを思わせる豊かな香りに、クローブのようなスパイス感が重なります。味わいにはストーンフルーツの甘みと、わずかなアーモンドのニュアンスがあり、温かみのあるやわらかな飲み口が印象的です。
Grinlandonus Potus Energeticus
グリンランドナス ポトゥス エネルゲティクス
国:ドイツ
受賞年:2024
評価抜粋:ストロベリーやチェリーを思わせるフルーティーな香りがあり、口に含むと前半はややドライ、後半にかけて森の果実のような甘みが広がります。余韻にはストーンフルーツやウッディなスパイス、ほのかなバニラ感が残ります。
The Three Brothers Bathtub Gin
スリーブラザーズ バスタブジン
国:レバノン
受賞年:2023
評価抜粋:複雑なボタニカルの構成が感じられる香りが印象的です。スパイシーでありながら蜂蜜のような甘さもあり、フィニッシュにはメントールのような清涼感が感じられます。
The Three Brothers Bathtub Gin
スリーブラザーズ バスタブジン
国:レバノン
受賞年:2022
評価抜粋:複雑なボタニカルの構成が感じられる香りを感じられます。スパイシーでありながら蜂蜜の甘さがあり、フィニッシュにはメントールが感じられます。
Breckenridge Gin
ブレッケンリッジ ジン
国:アメリカ
受賞年:2021
評価抜粋:ジュニパーの香りは軽めだが、かなりの数のフレーバーが感じられます。素朴で温かいスパイスにフィニッシュにはライムの香りとスパイスが感じられます。
Ableforth’s Bathtub Gin
エイブルフォース バスタブジン
国:イギリス
受賞年:2020
評価抜粋:ナツメグと温かいシナモンの香りにジュニパーの存在感のある香りが感じられます。全体的にバランスのとれた味わいが高く評価されています。
ロンドンドライジン
ロンドンドライジンとは
ロンドンドライジンとは、天然のボタニカルで香りづけを行い、再蒸留によって造られるジンです。
この記事の前半で触れたEUにおける「London Gin」の定義と、基本的には同じものと考えて問題ありません。
ジンの中でも特に知名度が高く、いわゆる「王道のジン」としてイメージされやすいカテゴリです。
ジュニパーベリーを中心にしたすっきりした香りと、ドライでシャープな飲み口を持つものが多く、ジントニックやマティーニなどの定番カクテルにもよく使われます。
なお、名前に「ロンドン」と入っていますが、ロンドンで造られている必要はありません。
これは産地名ではなく、あくまで製法や規格を示す名称です。
歴代のワールドベスト・ロンドンドライジン
The Store London Dry Gin
ザ ストア ロンドン ドライジン
国:イングランド
受賞年:2025
評価抜粋:ジュニパーをしっかり感じる香りに、ほのかな甘さが重なります。口当たりは心地よいドライなスタイルで、控えめなチリのニュアンスやコリアンダー、ウッディなハーブ感、ほのかな苦味が感じられます。全体として丸みがあり、バランスよくまとまっています。
Gale Force Gin
ゲール フォース ジン
国:アメリカ
受賞年:2024
評価抜粋:レモンを中心にしたふくよかで華やかな香りが印象的です。口に含むと、セージを思わせるハーブ感やほのかな甘み、アイリスの根のようなニュアンスがあり、後半にはペッパーとライムを思わせる柑橘感が広がります。バランスのよい1本です。
Marlborough Dry Gin
マールボロ ドライジン
国:ニュージーランド
受賞年:2023
評価抜粋:クラシックなジンらしい香りに、フレッシュな松のニュアンスが感じられます。カルダモン、ナツメグ、シナモン、コリアンダーといったスパイスも重なり、アルコールの力強さをやや感じつつも、心地よくまとまった味わいです。
Never Never Distilling Co. -Triple Juniper Gin Export Strength-
ネバー ネバー トリプルジュニパージン エクスポートストレングス
国:オーストラリア
受賞年:2022
評価抜粋:シトラス香とジュニパーの香り、ラベンダーやコーヒー、ココア、胡椒のようなスパイスの香りがするリッチで大胆な香味。
Lyden Distillery -Dry Gin-
ライデン ドライジン
国:スウェーデン
受賞年:2021
評価抜粋:ハーブやカモミール、グレープフルーツなどの力強い香り。オイリーで温かみのあるスパイスの味わいに、素朴なジュニパー、グレープフルーツの酸味がバランスよく交わっています。複雑な香りをバランスよくまとめている点が高く評価されています。
Cruxland
クラックスランド
国:南アフリカ
受賞年:2020
評価抜粋:とがった主張はなく、バランスのよさが非常に高く評価されています。
ネイビージン
ネイビージンとは
ネイビージンとは、アルコール度数が高めに造られた力強いタイプのジンです。
一般的なジンよりもしっかりした飲みごたえがあり、ジュニパーを中心とした香りやスパイス感がよりはっきり感じられるものが多く見られます。
「ネイビー(navy)」という名前は、イギリス海軍と関係のある呼び方として知られています。
由来には諸説ありますが、現在では高めの度数と力強い味わいを持つジンのカテゴリとして理解するとわかりやすいです。
ジントニックのようにシンプルに割っても風味が薄まりにくく、カクテルベースとしても存在感を出しやすいのが特徴です。
通常のジンよりもパンチのある味わいを楽しみたい方に向いたカテゴリといえます。
歴代のワールドベスト・ネイビージン
Rifters Royal
リフターズ ロイヤル
国:ニュージーランド
受賞年:2025
評価抜粋:ミント、ユーカリ、海水を思わせる個性的な香りに、青いハーブと力強い柑橘感が重なります。加水すると印象がやわらぎ、カシアやカルダモンがよりはっきり感じられます。甘いオレンジやベーキングスパイスのニュアンスもあり、スパイス感の長い余韻が続きます。
Hernö Gin Navy Strength
ヘルノー ジン ネイビーストレングス
国:スウェーデン
受賞年:2024
評価抜粋:ジュニパー、柑橘、コリアンダーをしっかり感じるクラシックな香りが印象的です。高めのアルコール度数ながら甘さとのバランスがよく、ほのかな塩気も感じられます。モルティな立ち上がりから、フレッシュで印象に残る余韻へつながる1本です。
Junimperium Navy Strength Gin
ジュニンペリウム ネイビーストレングス ジン
国:エストニア
受賞年:2023
評価抜粋:柑橘を前面に感じる力強い香りに、フレッシュなローズマリーを思わせる土っぽいハーブ感が重なります。口に含むとややセイボリーな葉のニュアンスがあり、後半にはさらにシャープな柑橘感が広がります。アルコール感も全体によくなじんでいます。
Devil Thumb Distillery Navy Strength Gin
デビル サン ネイビーストレングスジン
国:オーストラリア
受賞年:2022
評価抜粋:黒コショウとコリアンダー、フレッシュなライムの香りに、コリアンダー、ライム、ジュニパーのスパイシーな味わいが長い余韻とともに感じられます。大胆な香味ながらバランスが取れている点が高く評価されています。
Ester Spirits Strong Gin
エスタースピリッツ ストロングジン
国:オーストラリア
受賞年:2021
評価抜粋:ミントの香りに柑橘類とスパイスの味わいが感じられます。なめらかな口あたりに余韻は長く続きます。
Hout Bay Harbour Navy Strength Gin
ハウトベイハーバー ネイビーストレングスジン
国:南アフリカ
受賞年:2020
評価抜粋:心地よい甘さと、フルーティーな繊細な香りが、非常にバランスよく混ざり合っています。
クラシックジン
クラシックジンとは
クラシックジンとは、ジュニパーベリーを中心とした、伝統的で王道の香味バランスを持つジンです。
ロンドンドライジンと近い印象を持つこともありますが、より広く「昔ながらのジンらしい味わい」をイメージしやすいカテゴリと考えるとわかりやすいでしょう。
香りや味わいは、ジュニパーの存在感を軸に、コリアンダーやシトラス、スパイスなどがバランスよく重なるものが中心です。
奇抜さや個性的なボタニカルを前面に出すというより、ジンらしさそのものを楽しめるスタイルといえます。
そのため、ジントニックやマティーニなどの定番カクテルとの相性もよく、「まずは王道のジンを知りたい」という方にも入りやすいカテゴリです。
歴代のワールドベスト・クラシックジン
Comhla Handcrafted Scottish Gin
コムラ ハンドクラフテッド スコティッシュ ジン
国:スコットランド
受賞年:2025
評価抜粋:控えめながらクリーンな香り立ちで、ほのかに苔を思わせるウッディなニュアンスがあります。口に含むと、ジュニパー、コリアンダー、シトラスのクラシックな要素に、チリのような刺激とわずかな苦味が重なります。全体としてバランスはよいものの、ややドライで短めの余韻です。
Niseko Distillery ohoro Gin
ニセコディスティラリー オホロ ジン
国:日本
受賞年:2024
評価抜粋:ジュニパーをしっかり感じるクリーンな香りに、柑橘やガーデンハーブのニュアンスが重なります。口に含むとややビターで、松や木を思わせる風味が中心です。シンプルで端正な味わいの中に、ほのかなスパイスとハーブ感が感じられるクラシックな1本です。
Hamburg-Zanzibar Suburban Gin
ハンブルク ザンジバル サバーバン ジン
国:ドイツ
受賞年:2023
評価抜粋:やわらかく、土っぽさを伴うアロマティックな香り立ちで、上品なハーブ感とジュニパーが感じられます。口当たりはなめらかでアルコールの当たりも穏やかです。後半にかけて松を思わせるジュニパー感が強まり、土や根を連想させる風味が余韻に続きます。長さと複雑さも感じられる1本です。
Awildian Coromandel Dry Gin
アヴィルディアン コロマンデル ドライジン
国:ニュージーランド
受賞年:2022
評価抜粋:オレンジ、レモンの柑橘類の香りに爽やかなジュニパーベリーとハーブの香りが口に広がり、長い余韻とともに楽しめます。
Tobermory Hebridean Mountain Gin
トバモーリ ヘブリディーズ マウンテン ジン
国:スコットランド
受賞年:2021
評価抜粋:力強いジュニパーとパイン、柑橘類の香りが、カルダモンの味わいによくマッチしています。フィニッシュには、ブラックペッパーの香りが感じられます。
Bergslagens Organic Gin
ベルグスラーゲン オーガニックジン
国:スウェーデン
受賞年:2020
評価抜粋:スパイシーな香りと口当たりでありながら、トワイスアップでアルコール度数を抑えると、繊細なフレッシュグリーンのグラスパイン、フレッシュな柑橘類の香りが明らかになります。
ジュネヴァ
ジュネヴァとは
ジュネヴァとは、オランダやベルギーを中心に造られてきた、ジンの原型に近い蒸留酒です。
現代的なジンのようにボタニカルの香りを前面に出すというより、モルトワイン由来の穀物感や厚みのある味わいが感じられるのが特徴です。
ジュニパーベリーで香りづけされる点はジンと共通していますが、飲んだ印象はかなり異なります。
一般的なジンがすっきりした香りやシャープな飲み口を持つのに対して、ジュネヴァはよりまろやかで、ウイスキーや穀物系スピリッツに近いニュアンスを感じやすいカテゴリです。
そのため、ジンの一種として見るよりも、ジンにつながるルーツのお酒として捉えるとイメージしやすいでしょう。
WGAの中でも少し独特な立ち位置にあるカテゴリです。
歴代のワールドベスト・ジュネヴァ
Faith Genever Style Gin
フェイス ジュネヴァ スタイル ジン
国:台湾
受賞年:2025
評価抜粋:甘い穀物や蜂蜜、あたたかい藁を思わせる香りに、ペストリーやスパイスをきかせたパン生地のようなニュアンスが重なります。口当たりはなめらかで甘みがあり、モルティな風味とほのかなペッパー感が感じられます。余韻にはジンジャーブレッドやシナモンクッキーを思わせる印象が続きます。
Barrel Aged Genever 21 Years Old
バレル エイジド ジュネヴァ 21年
国:ベルギー
受賞年:2024
評価抜粋:甘くスパイシーな香りに、クリーミーなトフィーやバニラ、ドライフルーツ、ジュニパーが重なります。モルティでわずかにスモーキーな奥行きがあり、余韻は長く、甘さと豊かなコクが印象に残ります。アルコール感もよくなじんだ完成度の高い1本です。
Juillet Nord Gin
ジュイエ ノール ジン
国:フランス
受賞年:2023
評価抜粋:穀物やモルトワインを思わせるリッチで複雑な香りが印象的です。口に含むとスパイスの要素がしっかり広がり、なめらかでそのまま飲みたくなるような質感が感じられます。ジュネヴァらしい厚みのある味わいを楽しめる1本です。
Houblonesse Hopscheutenjenever
国:ベルギー
受賞年:2022
評価抜粋:ディル、レモングラス、フェンネルの複雑な香り、味わいはフローラルでありながらレモングラス、ラベンダー、ジュニパーを感じられます。フィニッシュにはモルティなハーブのスパイスがあります。
Genievre De Houlle Long Drink Genever
ジュニパー ドゥ フーレ ロング ドリンク ジュネヴァ
国:フランス
受賞年:2021
評価抜粋:フローラルでありながらモルティな香り、ハーブと甘さを感じるモルトの味わいが素晴らしい口当たりになっており、個性がありながらバランスが取れています。
Gospel Spirits Barrel Aged Piet Honingh Genever
ゴスペルスピリッツ バレルエイジド ピートホーニング ジュネヴァ
国:オランダ
受賞年:2020
オールドトムジン
オールドトムジンとは
オールドトムジンとは、瓶詰の際に砂糖やサトウキビ由来のスピリッツ等で甘味をつけた、甘味を感じやすい古典的なスタイルのジンです。
ジュニパーを中心としたジンらしい香りはありつつも、口当たりはやわらかく、全体としてまろやかな印象を持つものが多く見られます。
歴史的には、ロンドンドライジンが主流になる前の時代から親しまれてきたタイプで、クラシックカクテルにもよく使われてきました。
そのため、ジンらしさを残しながらも、少し甘みのある飲みやすいスタイルとして理解するとイメージしやすいです。
オールドトムの名称は、看板に描かれた年老いた黒猫に由来するため、現在でもラベルに猫が描かれることも少なくありません。
歴代のワールドベスト・オールドトムジン
Old Tom Gin
オールドトムジン
国:スウェーデン
受賞年:2025
評価抜粋:軽やかにジュニパーを感じる香りから始まり、口に含むと心地よい甘さが広がります。穏やかなボタニカルの風味と青さを感じるニュアンスがあり、全体として澄んだ印象で、すっきり楽しめる1本です。
Rare Old Tom
レア オールドトム
国:オーストラリア
受賞年:2024
Old Tom Gin
オールドトムジン
国:スウェーデン
受賞年:2023
評価抜粋:濃密で樹脂感のあるジュニパーの香りが立ち上がり、繊細で奥行きのあるスパイス感が重なります。オールドトムジンらしい甘さと風味の強さのバランスがよく、完成度の高い1本といえる味わいです。
Broken Bones Gin Old Tom Gin
ブロークン ボーンズ オールドトムジン
国:スロベニア
受賞年:2022
評価抜粋:甘いバニラとハーブの香りが、フローラルな甘さとうまくバランスをとっており、ペッパーのようなスパイスの余韻が長く続きます。
Broken Bones Gin Old Tom Gin
ブロークン ボーンズ オールドトムジン
国:スロベニア
受賞年:2021
評価抜粋:ハーブとシトラス、ジュニパーとコリアンダー、ペッパーのスパイスを感じる力強い香りは、ほんのり甘味のある味わいへと続き、長い余韻が続きます。
Basilisk Old Tom Gin
バジリスク オールドトムジン
国:スイス
受賞年:2020
フレーバードジン
フレーバードジンとは
フレーバードジンとは、果物などのボタニカルを注入または浸漬させることで甘味づけされたジンを指します。
通常のジンよりもジュニパーの印象がやわらかく、使われる素材によって甘みや華やかさ、親しみやすさが感じられやすいカテゴリです。
WGAにおけるフレーバードジンは、オレンジのような柑橘系からスパイス、菓子を思わせる風味まで幅広く含む、かなり自由度の高いカテゴリです。
フレーバードジンの中に、オールドトムジンやスロージンなどが含まれるため、広義のカテゴリとなっています。
歴代のワールドベスト・フレーバードジン
Hamburg-Zanzibar Tumeric No.1 Gin
ハンブルク ザンジバル ターメリック No.1 ジン
国:ドイツ
受賞年:2025
評価抜粋:スパイスときゅうりを思わせる洗練された香りがあり、口に含むとターメリックの風味がほどよく広がります。ハーブ感と土っぽさのあるニュアンスがありつつ、全体としてとてもなめらかでバランスのよい1本です。
Marylebone Orange & Geranium Gin
メリルボーン オレンジ アンド ゼラニウム ジン
国:イングランド
受賞年:2024
MAWSIM GIN TROPICAL CITRUS
モーシム ジン トロピカル シトラス
国:カンボジア
受賞年:2023
評価抜粋:リッチで濃密、やや樹脂感のある香りに、エキゾチックなスパイスやライムリーフのニュアンスが重なります。口に含むとメントールを思わせるペッパー感があり、ユーカリやクベブベリーの要素も感じられます。フレッシュな印象が強く、ギムレットにも合いそうな1本です。
Jaffa Cake Gin
ジャファケーキ ジン
国:イギリス
受賞年:2022
評価抜粋:ダークチョコレートの香りと味わいが豊かで、フィニッシュにはホワイトペッパーと甘いオレンジとケーキのような香りが広がります。
Hamburg-Zanzibar Tumeric No.1 Gin
ハンブルグ ザンジバル ターメリック No.1 ジン
国:ドイツ
受賞年:2021
評価抜粋:洗練されたスパイスとキュウリの香りに、ターメリックの味わいがうまくバランスをとっています。非常になめらかな口当たりを楽しむことができます。
Marylebone Orange & Geranium Gin
メリルボーン オレンジ & ゼラニウム ジン
国:イギリス
受賞年:2020
スロージン
スロージンとは
スロージンとは、ブラックソーンの実であるスローベリーで風味付けした、ジンベースのリキュールです。
一般的なジンのようにジュニパーの香りやドライさを前面に楽しむというより、果実由来の甘酸っぱさややわらかな口当たりを楽しむカテゴリといえます。
ベースにはジンが使われていますが、味わいの印象は通常のジンとはかなり異なります。
スローベリー由来の赤みのある色合いと、ベリー系の甘み、ほのかな渋みが特徴で、ジンらしさよりも果実酒やリキュールに近い親しみやすさを感じやすいのが魅力です。
そのため、WGAのカテゴリの中でも、スロージンは「ジンの風味を持ちながら、果実の個性を前面に出したスタイル」として理解するとわかりやすいでしょう。
シャープなジンとは違った、やわらかく飲みやすい味わいを楽しみたいときに向いたカテゴリです。
歴代のワールドベスト・スロージン
Hortus Artisan Sloe Gin
ホータス アルチザン スロージン
国:イングランド
受賞年:2025
評価抜粋:赤ワインのような色合いに、カレー系スパイスを思わせる個性的な香りとアーモンドのニュアンスが感じられます。口に含むと、チェリーベイクウェルや煮込んだスロー由来の甘酸っぱさが広がり、果実味とアーモンドの粘性ある甘み、ほのかなジュニパー感が心地よく続きます。
Maral Sloe Gin
マラル スロージン
国:ベルギー
受賞年:2024
評価抜粋:森の果実を思わせる甘酸っぱさに、チョコレートやココアのニュアンスが重なる香りと味わいが印象的です。チェリーやダムソンのような果実感があり、満足感のある豊かな余韻へつながります。最後にほのかなジュニパーが全体を引き締めます。
Maennerhobby Sloe Gin
メナーホビー スロージン
国:ドイツ
受賞年:2023
評価抜粋:柑橘に松を思わせる香りがあり、口に含むと草や青さを感じる植物的なニュアンスが広がります。クリーミーで厚みのあるジュニパー感に、ほのかなオレンジの要素が重なり、ペッパー感のある長い余韻が続きます。
Maral Sloe Gin
マラル スロージン
国:ベルギー
受賞年:2022
評価抜粋:大胆でジューシーな赤い果実の香りが魅力的。砂糖漬けのチェリーとアーモンド、マジパンの味わいにジンのバックボーンがあり、甘すぎずバランスのとれた味わいが長い余韻とともに感じられます。
Junimperium Sloe Gin
ジュニンペリウム スロージン
国:エストニア
受賞年:2021
評価抜粋:マジパンをはじめとする心地よい複雑さがある香り、甘さとわずかな粘り気のある口当たりが感じられます。
Hayman’s Spiced Sloe
ヘイマンズ スパイスド スロー
国:イギリス
受賞年:2020
評価抜粋:ネグローニの濃厚なほろ苦い香り、ドライフルーツの味わいが感じられる仕上がりになっています。
コンテンポラリージン
コンテンポラリージン
コンテンポラリージンとは、直訳すると「現代のジン」を意味するカテゴリです。
従来のジンのように「ジュニパーベリーの香りが主体であること」に強くとらわれず、さまざまなボタニカルの個性を活かして造られるのが特徴です。
もちろんジュニパーの要素がまったくないわけではありませんが、味わいの中心は柑橘、ハーブ、花、スパイス、果実など、造り手が表現したい香りに置かれることも少なくありません。
そのため、クラシックジンやロンドンドライジンと比べると、より自由で個性的なスタイルが多く見られます。
ジンらしさを残しつつも、新しい香味の表現を楽しめるのがコンテンポラリージンの魅力です。
「王道のジン」ではなく、「ボタニカルの個性を楽しむジン」として理解するとイメージしやすいでしょう。
歴代のワールドベスト・コンテンポラリージン
Matsui Gin The Hakuto Premium
マツイ ジン ザ ハクト プレミアム
国:日本
受賞年:2025
評価抜粋:ダグラスファーのような針葉樹感を思わせるウッディな香りに、樹液や温かみのあるスパイス、焼いたオレンジピールのようなニュアンスが重なります。口に含むと、青い草やアスパラガス、スプルース、ユーカリのような植物感が広がり、余韻にはペッパー感のある針葉樹の香りが残ります。
Toca Vida Gin
トカ ヴィダ ジン
国:ウェールズ
受賞年:2024
評価抜粋:(テイスティングコメント未確認)
Magnolia Gin
マグノリア ジン
国:ポーランド
受賞年:2023
評価抜粋:松やジュニパーを思わせる香りがしっかり感じられつつ、強すぎず魅力的にまとまっています。口に含むと柑橘の風味が広がり、松のニュアンスがそれを支えます。口当たりはクリーンで、フィニッシュにはメントールのような清涼感が残ります。
Bosque Alta Montana
ボスケ アルタ モンタナ
国:アルゼンチン
受賞年:2022
評価抜粋:非常に爽やかでエキサイティングな香り、豊かなボタニカルの味わいを感じられます。
Seven Hills Tokaj Gin
セブンヒルズ トカイ ジン
国:ハンガリー
受賞年:2021
評価抜粋:フローラルなベリー、カシス、ホワイトペッパーの香りが感じられ、高いアルコール度数ながら非常にマイルドでバランスのとれた味わいが高く評価されています。
Sky Wave Gin Contemporary London Dry
スカイウェイブジン コンテンポラリーロンドンドライ
国:イギリス
受賞年:2020
評価抜粋:シーフードにサンファイアの塩分を感じられます。ジュニパーベリーの程よい存在感もあり絶妙なバランスに仕上がっています。
シグネチャーボタニカルジン
シグネチャーボタニカルジンとは
シグネチャーボタニカルジンとは、その銘柄を特徴づける象徴的なボタニカルの個性を前面に出したジンです。
ジンにはさまざまなボタニカルが使われますが、このカテゴリでは特に、あるひとつ、またはいくつかの特徴的な素材の香りや風味が、銘柄の個性としてはっきり表れています。
ジュニパーベリーの香りを土台にしつつも、主役になるのは柑橘、花、ハーブ、スパイスなど、それぞれのジンが打ち出したいボタニカルです。
そのため、クラシックジンのような王道感というより、「どの素材を個性として見せるか」に重きを置いたカテゴリといえます。
コンテンポラリージンと近い部分もありますが、シグネチャーボタニカルジンは、より特定のボタニカルの印象がわかりやすいのが特徴です。
素材由来の香りや個性を楽しみたいときに向いたカテゴリです。
歴代のワールドベスト・シグネチャーボタニカルジン
Kinrara Caper – Artist Edition
キンララ ケイパー アーティスト エディション
国:スコットランド
受賞年:2025
評価抜粋:やわらかく甘みのある香り立ちに、明るいジュニパーとホワイトペッパーのニュアンスが感じられます。口に含むと甘さのバランスがよく、ペッパーとジュニパーが中心となって、後半はややドライな印象にまとまります。加水するとピンクペッパーのような甘い香りがよりはっきり現れます。
Christian Drouin Le Gin Pira
クリスチャン ドルーアン ル ジン ピラ
国:フランス
受賞年:2024
評価抜粋:熟した洋梨を思わせる華やかでみずみずしい香りが印象的です。口に含むとやわらかな果実味が広がり、オードヴィーを思わせる上品なニュアンスや洗練された甘さも感じられます。洋梨の個性が前に出つつ、土台には繊細なボタニカルの複雑さがあります。
Perfumer’s Gin Varec
パフューマーズ ジン ヴァレック
国:台湾
受賞年:2023
評価抜粋:フローラルで香水のような印象を持つ香りに、スモーキーなお茶のニュアンスが重なります。口に含むと軽やかでドライな飲み口の中に、緑茶の風味が感じられ、ジュニパーは控えめです。アルコールの熱感もわずかにあり、個性的な余韻が残ります。
Hayman’s Exotic Citrus Gin
ヘイマンズ エキゾチック シトラスジン
国:イギリス
受賞年:2022
評価抜粋:シトラスの香りと味わいがしっかりと感じられます。レモンのようにフレッシュでクリーンな味わいですが強すぎることもなく、甘い味わいが長く続きます。
Four Pillars Olive Branch Gin
フォーピラーズ オリーブブランチ ジン
国:オーストラリア
受賞年:2021
評価抜粋:ジュニパー、レモン、グリーンの香りが深く感じられます。特にオリーブの葉の特徴が顕著であり、オイリーで心地よく、うま味を感じられます。
Copper Republic African Dry Gin
コッパー リパブリック アフリカンドライジン
国:南アフリカ
受賞年:2020
カスクジン/マチュアードジン
カスクジン/マチュアードジンとは
マチュアードジンとは、樽で熟成させたジンです。
通常のジンがボタニカル由来の香りを中心に楽しむのに対し、マチュアードジンはそこに樽熟成による香りや味わいが加わるのが特徴です。
ジュニパーやハーブ、スパイスといったジンらしい要素を持ちながらも、バニラ、ウッド、キャラメルのような樽由来のニュアンスが重なり、より丸みや奥行きのある味わいになりやすいカテゴリです。
そのため、ジンでありながら、ウイスキーや熟成スピリッツに通じる落ち着いた印象を感じることもあります。
ジンらしい爽やかさだけでなく、熟成による厚みやまろやかさも楽しみたいときに向いたカテゴリといえるでしょう。
歴代のワールドベスト・マチュアードジン
Awildian Coromandel Manuka Gin
アワイルディアン コロマンデル マヌカ ジン
国:ニュージーランド
受賞年:2025
評価抜粋:スモーキーなベーコンを思わせる力強い香りに、たっぷりとしたジュニパー感が重なります。口に含むと甘みとドライなフィニッシュのバランスがよく、松や燻した木のようなニュアンスも感じられます。高めのアルコール度数に見合う、骨格のしっかりした1本です。
Lost Dutchman Cask Aged Gin
ロスト ダッチマン カスク エイジド ジン
国:ウェールズ
受賞年:2024
評価抜粋:甘くオークを思わせる香りに、柑橘の立ち上がりと軽やかなジュニパー感が感じられます。口に含むとスパイス感が前に出て、キャラメルやラベンダーのニュアンスも重なります。ウッディさを感じつつ、ジンらしいドライなフィニッシュへ続く1本です。
Height of Arrows Heavy – Barrel Aged Pedro Ximenez Cask
ハイト オブ アローズ ヘヴィー バレルエイジド ペドロヒメネス カスク
国:スコットランド
受賞年:2023
評価抜粋:バーボン樽熟成のジンに、ペドロヒメネス樽由来の個性が重なった1本です。心地よい甘さとバニラのニュアンスが感じられ、樽熟成ジンらしいやわらかさと深みを楽しめます。
Lyden Distillery Cask Gin
ライデン カスク ジン
国:スウェーデン
受賞年:2022
評価抜粋:フェンネルとセロリを感じるハーブの香り、ペッパー、コリアンダー、タンニンのある味わいの柑橘系の香りが、ジュニパーの特徴と混ざり合っています。
Gold Swan Gin Bruges Cask Strength Gin
ゴールドスワンジン ブルガスカスクストレングスジン
国:ベルギー
受賞年:2021
評価抜粋:強いタンニンの香り、ピリッとしたジュニパーと木樽からくるキャラメルとバニラの香りが感じられます。味わいはオーク、バニラ、タフィー、ダークチョコレートをジュニパーとともに感じられます。
Lubuski Aged
ルブスキ エイジド
国:ポーランド
受賞年:2020
まとめ
様々なジンの種類を、World Gin Awards (WGA)のカテゴリをベースにご紹介しました。

また、各カテゴリの歴代のワールドベストジンをあわせてご紹介してきました。
まだまだ少ないですが、購入できるものについては商品リンクをつけていますので、気になるカテゴリや銘柄があれば世界No.1に輝いたジンを楽しんでみてくださ!!
プレゼントにおススメのジンはこちらの記事で紹介しています。
この記事同様にウイスキーのコンペティションWWAについて解説しています。