【テキーラとは…】テキーラの定義・原料・製造方法・種類・代表銘柄を一挙解説!

この記事では、四大スピリッツの一つ「テキーラ」について
・定義
・原料
・製造方法
・主な種類
について解説していきます。

テキーラとは…

テキーラとは、
“メキシコ原産のリュウゼツランの一種であるマゲイを原料にした蒸留酒”
です。

原料の名前もそうですが、やはりテキーラを特徴づけるのはその原料です。

「テキーラ」の語源は、原料の「マゲイ」の原産地であるメキシコのハリスコ州にある「テキーラ」村です。
メキシコ国内のうち認められた5州で造られたものしか「テキーラ」を名乗ることができません。

少し歴史についても触れてみましょう。

メキシコではアステカ文明の時代からリュウゼツランの樹液を発酵させた「プルケ」というお酒が飲まれていました。

16世紀には、スペインから伝わった蒸留技術を利用し、プルケから「メスカル」というお酒が誕生します。

近年までこの「メスカル」の一種として、テキーラ村周辺でつくられた「テキーラ」が位置していましたが、1994年に正式に「テキーラ」が個別名称となりました。

なお、プルケやメスカルは今でもメキシコ各地で造られています。

テキーラが世界的に有名になったのは、「マルガリータ」というカクテルがアメリカのカクテル・コンテストで優勝したことがきっかけです。
このマルガリータというカクテルは、テキーラ・ホワイトキュラソー・ライムジュースをシェークし、スノースタイルにしたカクテルグラスに注がれるショートカクテルです。

この他にも代表的なカクテルはこちらの記事で紹介しています。

テキーラの原料

マゲイ(ブルーアガベ)の画像

メキシコ原産のリュウゼツランの一種「マゲイ」という大型の多肉植物がテキーラの原料です。
英語ではBlue Agave(ブルーアガベ)、原産地であるメキシコではMaguey(マゲイ)と呼ばれています。

テキーラの製造には、マゲイの球茎(きゅうけい)と呼ばれる、地下茎がデンプンなどの養分を貯蔵して球形に肥大化したものを使用します。

これは、重さ30~100kgほどにもなり、巨大なパイナップルのような見た目をしていることから「ピニャ」(スペイン語でパイナップル)と呼ばれます。

リュウゼツランは以下の3品種に大別されます。

・アガベアメリカーナ
・アガベアトロビレンス
・アガベアスールテキラーナ

テキーラの製造には、このうち「アガベアスールテキラーナ」(前述のブルーアガベ、マゲイ)が使用されます。

テキーラの製造方法

ピニャの画像

加熱

原料のマゲイの球茎「ピニャ」を大型のオーブンや圧力釜により加熱し、デンプン質を糖分に変えます。なお、ピニャの芯は苦みが強く、この芯を取り除くかどうかによっても味わいが変わってきます。

オーブンでは約40時間、圧力釜では約6時間で完了します。
圧力釜で加熱した方が効率的ではありますが、昔ながらのオーブンでじっくり加熱することで、コクや深みのある甘味を引き出すことにこだわる蒸留所もあります。
一方、オーブンで加熱すると、ピニャの表面が焦げてローストした香りをつけることができます。

搾汁

加熱されたピニャを冷ました後に破砕し、加水・圧搾することで、甘い「モスト」と呼ばれる液汁になります。

搾汁の方法は主に2つあります。

1つ目は「タオナ」と呼ばれる石臼を使う方法です。時間と手間がかかりますが、表皮が細かくなりすぎず、雑味や苦みを抑えることができるメリットがあります。

2つ目は、「ローラーミル」と呼ばれる粉砕機を使用して搾汁を行う方法です。

発酵

搾汁したアガベのジュースに酵母を加えて温度を適切に管理することにより、糖分からアルコールを生成していきます。
なお、搾汁後のジュースは酵母が発酵できるように、水で濃度を調整を行います。

蒸留

テキーラはその定義上、最低2回の蒸留が必要です。
蒸留によりアルコールと水を分離することでアルコール濃度を高めていきます。

熟成

オーク樽に入れて熟成させますが、その期間により見た目や香味が変わります。
メキシコは平均気温が高く早く熟成が進むため、蒸留所によっては地下に熟成庫をつくり温度をコントロールしていたりします。

この熟成期間による種類分けを次の項目で紹介していきます。

テキーラの種類

テキーラの貯蔵庫(熟成庫)の画像

テキーラは熟成期間によって以下の3種類に分類されます。

テキーラ・ブランコ

ほとんど熟成させないか短期で造られます。
無色透明とシャープな味わいが特徴。

テキーラ・レポサド

オーク樽で2か月以上熟成させて造られます。
薄黄色でまろやかでいわゆる「テキーラらしい」特徴を持ちます。

テキーラ・アネホ

オーク樽で1年以上熟成して造られます。
樽材の風味がのることでしっかりとしつつまろやかな味わいが特徴。

テキーラの代表銘柄

テキーラを初めて飲む方、「テキーラらしい」風味を味わってみたい方には「テキーラ・レポサド」の中から初めの一本を選ぶのがおすすめです。

テキーラ・ブランコの代表銘柄

■サウザ ブルー

テキーラの名付け親であるサウザ社がつくるブルーアガベ100%のプレミアムテキーラ!
柑橘系のフローラルな香りとキリっとした飲み口を感じることができるテキーラです。

パトロン シルバー

セレブ御用達のプレミアムテキーラ!
熟成を行わないことからクリアな味わいに仕上がっています。値段は高いですが、テキーラ初心者にもおススメしたい銘柄です。原料にもこだわりがあり、特に手をかけて育てた質の高いアガベを使用しています。よりプレミアムな「パトロン・ロカ シルバー」も是非飲んでみたい銘柄。

オレンダイン オリータス ブランコ

原料のアガベの栽培からボトリングまで一貫した製造を行うオレンダイン社が製造するプレミアムテキーラ。フレッシュで爽やかな香りとなめらかな口当たりが特徴。

テキーラ・レポサドの代表銘柄

■クエルボ エスペシャル ゴールド

初めてテキーラを飲む方におススメしたいテキーラトップブランド「クエルボ」の人気銘柄!
甘みのある風味とまろやかで深いコクが特徴。キンキンに冷やしてストレートで味わうのも良し。

■サウザ ブルー レポサド

まろやかな口当たりが特徴な、青い鳥のスタイリッシュなパッケージが魅力的なテキーラ!
カクテルのベースとしてはもちろん、ソーダで割っただけでも十分楽しめる深みのある味わい。

クエルボ 1800レポサド

高級感漂うゴールドのプレミアムテキーラ!
原料にはブルーアガベが100%使用されています。オーク樽由来のほのかな香りに、オレンジピールのフルーティーな香りやバニラの甘味も感じられる複雑な味わい。

■アライゴ レポサド

アルコール度数35度と低めのテキーラ。
アガベの香りと甘味は残しながらも、飲み口が軽くクセの少ないテキーラに仕上がっています。

テキーラ・アネホの代表銘柄

■パトロン アネホ

こちらのパトロンブランドもセレブに御用達の人気銘柄!
6~7年の長い歳月、手をかけて育てられた質の高いアガベのみを100%使用して造られるプレミアムテキーラです。バニラ香とはちみつのようなトロッとした口当たり、スモーキーな余韻が人気を集めるポイント。

エラドゥーラ アネホ

なめらかな口当たりと、バニラやキャラメルを思わせる芳醇な香りが特徴!
オーク樽で熟成した特徴がバランス良く出ている、上品な味わいのテキーラです。エラドゥーラとは馬の足に打ち付ける「蹄鉄」の意味、その蹄鉄を模したラベリングが印象的です。

■ドンフリオ アネホ

ブルーアガベを100%使用して造られたプレミアムテキーラ!
熟成期間は1年半~2年と長く、豊かな香りと、苦味が少なく、クリアな辛さと、蜂蜜のかすかな甘味、この複雑な味わいが何とも言えず絶品。冷凍庫で冷やして飲むのがおすすめ。

まとめ

テキーラとは…
リュウゼツランの一種マゲイ(ブルーアガベ)が原料の蒸留酒。
メキシコの限られた地域で製造される。

その原料が特徴!