【ワインとは…】ワインの定義・原料・製造方法・種類を一挙解説!

こんばんは。猫田です。

この記事では、健康に良い面でも注目される「ワイン」について
・定義
・原料
・製造方法
・種類
をわかりやすく解説していきます。

「ワインは好きだけど、ブドウの種類は全く知らない…」
「ラベルを見てどれを買うか迷う…」
といった悩みを解消しましょう!

ワインとは…

ワインとは、
“ブドウ果実を原料として醸造した酒類”
です。

「醸造酒」の中の「単発酵酒」に分類されます。
酒類の分類については、こちらの記事をご覧ください。

なお、酒税法の区分では、醸造酒の中の「果実酒」に分類されます。

果実酒の定義を要約すると…
”果実や糖類を原料に発酵させたアルコール度数20%未満のお酒”
です。

酒税法の原文は以下の通りです。

果実酒 次に掲げる酒類でアルコール分が20度未満のもの(ロからニまでについては、アルコール分が15度以上のものその他政令で定めるものを除く。)をいう。
イ)果実又は果実及び水を原料として発酵させたもの
ロ)果実又は果実及び水に糖類(政令で定めるものに限る。ハ及びニにおいて同じ。)を加えて発酵させたもの
ハ)イ又はロに掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの
ニ)イからハまでに掲げる酒類にブランデー、アルコール若しくは政令で定めるスピリッツ(以下この号及び次号ハ及びニにおいて「ブランデー等」という。)又は、糖類、香味料若しくは水を加えたもの(ブランデー等を加えたものについては、当該ブランデー等のアルコール分の総量(既に加えたブランデー等があるときは、そのブランデー等のアルコール分の総量を加えた数量。同号ハにおいて同じ。)が当該ブランデー等を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10を超えないものに限る。)
ホ)イからニまでに掲げる酒類に政令で定める植物を浸してその成分を浸出させたもの

酒税法第3条第13号


「ブドウ」という言葉が入っていませんね。法律上ではワインではなく果実酒としか定義されていないため、このような表記になっていると思われます。

ワインの原料

ワインの原料はやはり「ブドウ」です。

ワインに使用されるブドウ品種は1000種類を超えます。
以下に代表的なブドウ品種を紹介します。

ブドウの画像

シャルドネ(白)

フランス ブルゴーニュ地方原産の白ワイン用ブドウ品種を代表する品種です。
シャンパーニュの原料としても用いられる品種としても有名です。

主要産地:フランスのブルゴーニュ地方、アメリカのカリフォルニア州、オーストラリア、チリ
特徴:フルーティーな香りとキレのある味。

ソーヴィニヨン・ブラン(白)

フランスのボルドー地方、ロワール地方で古くから栽培される白ワイン用ブドウ品種です。
シャルドネと比べると温暖な気候を好みます。

主要産地:フランスのボルドー地方、ロワール地方
特徴:柑橘系の果物の香り。涼しい地方でつくられたものは強い酸味が特徴。

リースリング(白)

ドイツを代表する白ワイン用ブドウ品種です。
限られた冷涼な地域でしかよい品質の果実が実らない気難しい品種でもあります。
しっかりとした酸味と上質な香りを持ち、辛口、甘口、スパークリングといった様々なワインの原料として用いられています。

主要産地:ドイツ、フランスのアルザス地方
特徴:フルーティーでありながらさわやかな酸味。

…リースリングは栽培は気難しいが、できた果実は様々なワインを造り出してくれる。
いわゆるツンデレ品種でしょうか。

カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)

フランス ボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種を代表する品種です。
世界中で広く栽培されている品種でもあります。
皮が厚くしっかりとしたタンニンが特徴で、重厚感のあるワインが出来上がります。

主要産地:フランスのボルドー地方、その他様々な地域
特徴:深みのある濃いルビー色とウッディーな香り。若いものは渋みが強い。

シラー(赤)

フランスのコート・ デュ・ローヌ地方原産の濃い紫色をした、赤ワイン用ブドウ品種。
広い地域で栽培されていますが、品種自体の特徴が強く現れる品種でもあります。

主要産地:フランスのコート・デュ・ローヌ地方、オーストラリア
特徴:非常に濃い色と、タンニンが豊富でコクとスパイシーさのある風味が特徴。

メルロ(赤)

フランス ボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。
こちらの品種も世界中で広く栽培されています。
同地域を原産とするカベルネ・ソーヴィニヨンと比べ、早熟である、繊細なタンニンを持つ、という特徴があります。

主要産地:フランスのボルドー地方、アメリカのカリフォルニア州、オーストラリア
特徴:芳醇でまろやかな口当たりの良い味わい。

ワインの製造方法

ワインの貯蔵庫

ワインは他の酒類と比べ、シンプルな工程で製造されます。
そのため原料の品質が大きく影響するのです。

ぶどうの除梗・破砕

赤ワインでは黒ブドウ、白ワインでは白ブドウを使用します。
ブドウの房から果梗を取り除き、果汁を抽出するため破砕を行います。

プレス(搾汁)・発酵

ビールやウイスキーなどの原料である「大麦」、日本酒の原料である「米」は「デンプン」を含むため、デンプンを糖に分解する糖化工程でしたが、ブドウには「糖」が含まれているため、そのまま発酵を行うことができます。
このような種類の醸造酒を、「単発酵酒」と呼びます。こちらの記事で解説しています。

発酵では、酵母によりブドウに含まれる糖分からアルコールと二酸化炭素が発生します。

白ワインと赤ワインでこの工程に以下のような違いがあります。

白ワインでは、プレス(搾汁)をした後に発酵を行います。

赤ワインでは発酵→プレスの順に行います。
さらに赤ワインでは発酵と同時に、渋みの要素である「タンニン」を抽出するため、果皮の漬け込み(マセラシオン)を行います。

安定化(澱引き・ろ過)

発酵が終わったワインは酵母や果肉などを含む澱によって濁っているので、これら沈殿物質や懸濁物質を取り除く工程を「澱引き」と呼びます。
澱引きの方法は様々で、ワインを静置しておき沈降させて上澄み液を得る方法や、ろ過器を用いて清澄化する方法などがあります。

澱引きでは沈殿物質や懸濁物質を除去する工程ですが、その他に微生物を除去するため「ろ過」が行われます。フィルターを用いたろ過が一般的に使われています。
なお、同じ目的で「加熱殺菌」をする方法もあります。

熟成

ステンレススチール製タンクやオーク樽で熟成します。
ワインやブドウの種類によって異なりますが、白ワインでは半年から1年、赤ワインでは1年~2年ほど熟成します。

熟成の期間中、様々な成分が反応し香味を形作っていきますが、主にポリフェノール同士の重合、ポリフェノールとタンパク質の反応などが起こります。

ブレンディング・瓶詰め

ブレンドをすることで、安定した品質のワインに仕上げます。

ろ過を行い微生物を除去した後、酸素を含まないよう注意を払いながら瓶に充填していきます。

ボトルの栓は一般的にコルクが使用されます。コルクは組織の細胞が細繊で、弾力性があり、気体や液体を通さず、酸や腐敗に対する抵抗力が強いことが理由とされています。
ただし、近年ではスクリューキャップが増えてきていることも事実です。

ワインの種類

白ワインと赤ワイン

スティル・ワイン

一般的な赤、白、ロゼのワインを指します。
酵母による発酵では、アルコールの他に炭酸ガスも生成されますが、これを空気中に発散させて醸造します。
スティル・ワインとは、「静かなワイン」という意味で、炭酸ガスによる発泡性がないことからこのように呼ばれます。

赤ワイン

黒ブドウの果汁と果皮、種子を一緒に発酵させたワインです。
発酵期間が長いほど色が濃くなります。

赤ワインの「色」は、主にブドウの果皮に含まれる「アントシアニン」に由来します。
アントシアニンとは、ポリフェノールの一種である青紫色の物質です。主に植物を紫外線から守る役割を果たしています。

赤ワインの「渋み」は、主にブドウの果皮と種子に含まれる「タンニン」に由来します。
タンニンとは、ポリフェノールの一種であり、カテキン等が重合したものです。主に植物を外敵から守る役割を果たしています。

白ワイン

白ブドウの果汁(果皮や種子は取り除く)を発酵させたワインです。
なお、白ワインの醸造には黒ブドウを使用することもあります。この場合も果皮や種子は取り除いて使用されます。

ロゼ

ピンク色をしたワインの総称です。「ロゼ」はフランス語で「バラ色、ピンク色」という意味です。

製造方法は主に2種類あり、赤ワインと同じように醸造しバラ色ぐらいの色合いになったときに果皮を取り除く方法と、赤ワインと白ワインの果汁を混ぜてつくる方法があります。

スパークリング・ワイン

発泡性のあるワインを指します。

製造方法は複数あり、発酵時にできる炭酸ガスをそのままワインに溶け込ませる方法、スティル・ワインに糖と酵母を加え二次発酵させる方法、ワインに後から炭酸ガスを吹き込む方法などがあります。

フランスのシャンパンや、イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァなどが代表的です。

なお、シャンパンはスパークリング・ワインのうちの一つのカテゴリです。
フランスのシャンパーニュ地方で造られ、ブドウの品種や製造方法など一定の条件を満たしたものが「シャンパン」を名乗ることができます。

フォーティファイド・ワイン

発酵工程の途中または発酵後にアルコール(ブレンデーが主)を添加してつくるワイン
”酒精強化ワイン”とも呼ばれます。

アルコール度数は16%~20%程度のものが一般的です。

スペインのシェリー、ポルトガルのポートワイン、ポルトガルのマデイラ、が代表的で「三大フォーティファイドワイン」と呼ばれます。

フレーヴァード・ワイン

スティル・ワインに薬草や香草、果実、アルコールなどを加えて独特の風味にしたワイン。
”混成ワイン”や”アロマタイズドワイン”とも呼ばれます。

ベルモットやサングリアが有名です。

まとめ

ワインとは
“ブドウ果実を原料として醸造した酒類”

原料のブドウの種類、製造方法によるワインの種類が豊富!

製造方法がシンプルで原料の品質が大きく影響するお酒。