【ウイスキーの賞】ウイスキーのコンペティションを解説!

こんばんは。猫田です。

数千円から数十万円まで価格の幅が広いウイスキー
高価なウイスキーは、味はもちろん、特別感があってさらに美味しく感じますよね。

ですが、
「最も美味しいウイスキーはどれだろう…」
こんな疑問を抱くことはないでしょうか。

「このウイスキーが美味しい!」
こういう情報は、メーカーの商品紹介ページやブログ、ユーチューブなどから得たり、上司や友人、親から聞くこともあるでしょう。

ただし、お酒は嗜好品。
人の好みによって評価は様々です。

ただし、最も信頼性のある情報があります。

それは、
国際的なコンペティション
です。

ウイスキーの専門家たちが世界中から集まり、できるだけ公平に評価を行い、最も優れた銘柄を決める…
美味しいウイスキーを探すうえでこれ以上参考になる情報はないでしょう。

…ということでこの記事では、
・国際的なウイスキーのコンペティション
・そこで与えられる賞

についてわかりやすく解説します。

お酒選びの参考にしてください!

ウイスキーの種類

まず、ウイスキーの種類には複数の分け方があります。

まずは、「生産地による分類」です。
これは目にする機会も多く、わかりやすい分類ですね。

生産地による分類には5大ウイスキーと呼ばれるものがあります。
・スコッチウイスキー
・アイリッシュウイスキー
・アメリカンウイスキー
・カナディアンウイスキー
・ジャパニーズウイスキー

次に、「原料による分類」です。

ウイスキーの主な原料は大麦麦芽です。
ただし他の穀物を使用する場合もあり、種類分けされています。

・モルトウイスキー
・グレーンウイスキー

最後に、「ブレンド条件による分類」があります。

樽で熟成したウイスキー原酒は通常、複数の原酒をブレンドして製品にします。
その際にモルトウイスキー同士を混ぜるか、グレーンウイスキーと混ぜるか、などで種類が分かれます。

・シングルモルトウイスキー
・ヴァンテッドモルトウイスキー
・ブレンデッドウイスキー

ウイスキーの分類について、詳細な内容はこちらの記事で解説していますのでご覧ください!

各コンペティションの比較

この記事では、ウイスキーの主なコンペティションとして
・World Whisky Awards (WWA)
・International whisky Competition
・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)
・International Spirits Challenge (ISC)
・International Wine and Spirits Competition (IWSC)
・San Francisco World Spirits Competition (SFWSC)
について解説します。

この中で、ウイスキーのみのコンペティションは
・World Whisky Awards (WWA)
・International whisky Competition
の二つとなります。

スピリッツや酒類全般を対象にしたコンペティションは
・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)
・International Spirits Challenge (ISC)
・International Wine and Spirits Competition (IWSC)
・San Francisco World Spirits Competition (SFWSC)
の四つとなります。

スピリッツを対象にしたコンペティションについては、こちらの記事で受賞の難易度比較を含め解説していますのでご覧ください。

前者2つのコンペティションと後者4つのコンペティションでは賞の与え方も異なります。

前者のコンペティションでは、カテゴリを細分化しその中で最も優れた銘柄を選ぶようなスタイル、後者のコンペティションでは、ある程度の大きさでカテゴリを分け金賞などの賞を複数銘柄に与えるようなスタイルとなっています。

そのため、受賞難易度を直接比較することは難しいといえます。

各コンペティションの詳細

World Whisky Awards (WWA)

サイトリンク

2007年より毎年開催されているウイスキー専門の品評会です。

テイスティング部門とデザイン部門に分かれています。
テイスティング部門では、ウイスキーを16カテゴリに分け、それぞれで最も優れた銘柄“ワールドベスト・ウイスキー”を決定します。

カテゴリは、以下のように分かれています。

WORLD’S BEST BLENDED
 ブレンデッドウイスキー

WORLD’S BEST BLENDED LIMITED RELEASE
 ブレンデッドウイスキーの限定品

WORLD’S BEST BLENDED MALT
 ブレンデッドモルトウイスキー(モルトウイスキーのみを混ぜたヴァンデッドモルトウイスキー)

WORLD’S BEST SINGLE MALT
 シングルモルトウイスキー

WORLD’S BEST SINGLE CASK SINGLE MALT
 単一の樽(Cask)で熟成されたシングルモルトウイスキー

WORLD’S BEST FLAVOURED WHISKY
 フレーバーウイスキー

WORLD’S BEST BOURBON
 バーボンウイスキー

WORLD’S BEST SINGLE BARREL BOURBON
 単一の樽(Barrel)で熟成されたバーボンウイスキー

WORLD’S BEST TENNESSEE
 テネシーウイスキー

WORLD’S BEST CANADIAN BLENDED
 カナディアンウイスキーのブレンデッドウイスキー

WORLD’S BEST CORN
 トウモロコシを主原料とするコーンウイスキー

WORLD’S BEST RYE
 ライ麦を主原料とするライウイスキー

WORLD’S BEST WHEAT
 小麦を主原料とするウィートウイスキー

WORLD’S BEST GRAIN
 様々な穀類を原料とするグレーンウイスキー

WORLD’S BEST NEW MAKE & YOUNG SPIRIT
 蒸留後に熟成をほとんど経ないウイスキー 

WORLD’S BEST POT STILL
 伝統的な製法であるポットスチル(単式蒸留器)を用いて造るウイスキー

ウイスキーのみのコンペティションですが、2021年は1000銘柄以上のエントリーがあり規模も申し分ないコンペティションといえます。

International whisky Competition

サイトリンク

アメリカで開かれるウイスキー専門の品評会です。
※IWCはワインのコンペティションInternational Wine Challengeがあるのでお間違えのないように。

このコンペティションは、明確な順位付けをすることが特徴です。
公式サイトでは、順位とともに点数も明記されています。

全体のランキングとして、その年のTop15 Whiskyを決定しています。
また細分化したカテゴリごとに、Gold、Silver、Bronzeをそれぞれ1銘柄ずつ決定します。

カテゴリは以下の通りとなっています。
・Scotland
・USA
・Japan
・Canada
・Ireland
・World

このカテゴリの下にシングルモルトやブレンデッドなどさらに細分化されたカテゴリがあり、それぞれで1st, 2nd, 3rdが決定されます。

カテゴリごとに1st(Gold), 2nd(Silver), 3rd(Bronze)を1銘柄ずつ決めることから、「ウイスキーのオリンピック」とも呼ばれます。
カテゴリは細分化されてはいるものの、非常にわかりやすいですね。

東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)

サイトリンク

2019年に始まった日本初のウイスキー&スピリッツのコンペティションです。
ウイスキーの他、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなどのカテゴリがあり、最高金賞、金賞、銀賞、銅賞を決定します。

2021年には約400銘柄のエントリーがあり、最高金賞17銘柄、金賞85銘柄、銀賞183銘柄、銅賞91銘柄という結果になっています。
出品数は多くはありませんが、最高金賞・金賞・銀賞・銅賞のバランスが良い点は素晴らしい。

まだまだ歴史の浅いコンペティションではあるものの、日本で開催されるということもあり、「受賞銘柄が日本で手に入りやすい」というメリットがあります。
「一番美味しい!」とされたものを気軽に手に入れられるのはやはりうれしいですね。

International Spirits Challenge(ISC)

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イギリスで毎年開催される酒類全般のコンペティションです。
イギリスの酒類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催しています。

以下の3部門に分かれています。
香味を評価対象にした「テイスティングアワード」
デザインを評価対象にした「デザイン&パッケージングアワード」
蒸溜所の魅力を評価対象にした「スピリッツツーリズムアワード」

香味を評価対象にした「テイスティングアワード」では、お酒の種類によって27カテゴリに分類されます。
ウイスキーというジャンルの中では、以下の地域ごとのカテゴリがあります。

・American Whiskey
・Irish Whiskey
・Japanese Whisky
・Scotch Whisky
・World Whisky

評価結果によって、「トロフィー」「ダブルゴールド」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の賞が与えられます。

2021年の全体の結果では、以下のようになっています。
トロフィー:52銘柄
ダブルゴールド:37銘柄
ゴールド :552銘柄
シルバー :919銘柄
ブロンズ :349銘柄

出品数の多さと、賞のバランスの良さ両面でいいコンペティションと言えます。

International Wine and Spirits Competition(IWSC)

サイトリンク

イギリスで毎年開催される酒類全般のコンペティションです。
1969年から開催されている歴史あるコンペティションでもあります。

香味を評価するテイスティングや、Additional Awardとしてデザインなどの賞があります。

香味評価のテイスティングアワードでは、お酒の種類によりカテゴリ分けされており、ウイスキーは「スピリッツ」のカテゴリに属します。

さらにその下に、
Whisky – USA
Whisky – Irish
Whisky – Scotch
Whisky – Worldwide
というように産地によって分けられています。

各銘柄は100を最高評価としてスコアリングされ、その値に応じた賞が与えられます。
Gold Outstanding (Trophy):98-100
Gold :95-100
Silver :90-94
Bronze :85-89
95以上のスコアがつけられたものは再度審査され、特に優れたものに最高位の「Gold Outstanding (Trophy)」が与えられます。

San Francisco World Spirits Competition (SFWSC)

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2000年から開催されている、アメリカ最大級のスピリッツコンペティションです。
ホワイトスピリッツ、ウイスキー、ブランデー、リキュールなどカテゴリごとに分かれています。

賞の種類と2021年の結果は以下の通りです。
Platinum:0銘柄
Double Gold :714銘柄
Gold :782銘柄
Silver :1222銘柄
Bronze :371銘柄

Gold以上の賞が多いのが気になります…
この賞の他にも、カテゴリ(クラス)ごとに最高の銘柄を選出しています。

まとめ

この記事では、以下のウイスキーのコンペティションについて解説をしてきました。

・World Whisky Awards (WWA)
・International whisky Competition
・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)
・International Spirits Challenge(ISC)
・International Wine and Spirits Competition(IWSC)
・San Francisco World Spirits Competition(SFWSC)

ウイスキーを選んでいる時、「金賞受賞」や「ISC」などの表記があった際には、この記事のことを思い出し、「どれほど優秀なものなのか」「本当に素晴らしい賞なのか」を調べていただき、検討材料にしていただければと思います。

各コンペティションの受賞銘柄(2021年)はこちらの記事で紹介しています。

ウイスキーの基本情報はこちらの記事でご紹介しています。

プレゼントにおススメなウイスキーはこちらの記事でご紹介しています。