こんばんは、猫田です。
世界中で人気があり、さらに高まり続けているお酒「ジン」
そんなジンの今年の顔を決める、世界的なコンペティションがあります。
・ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)
・IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)
・SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)
・TWSC(東京ウイスキー&スピリッツ・コンペティション)
これらの各コンペティションを通して、出来の良い銘柄を知ることができる一方、問題点が一つ!
「高い評価を得た銘柄が日本では手に入らない…」
こんなことがよく起きます
ですが!
2021年のISCで最高位のTrophyに次ぐDouble Goldを受賞した銘柄は比較的手に入りやすい銘柄となりました!
・プリマスジン
・ビーフィーター24 ロンドンドライジン
ISC2021において、ジンでは約300銘柄の中からTrophyが1銘柄、Double Goldが2銘柄のみとなっており、かなり評価は高いといえます。
では、二つの銘柄についてレビューをしていきたいと思います!
■本記事の内容
・スピリッツコンペティションISCについて基礎知識
・Plymouth Ginのレビュー
・Beefeater 24 London Dry Ginのレビュー
2021年専門家から良い評価を受けたジンの銘柄がわかります!
■筆者「猫田」について
・某ビール会社で3年間、生産管理の業務に携わっていました。
・趣味はお酒を飲むこと、バー巡り、カクテルづくり。
・特に好きなお酒はジンです。
・お酒の情報に特化したブログ「猫田の酒ブログ」を運営しています。
それでは早速、解説していきます!
ISC2021について
ISC (International Spirits Challenge)
インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ
【概要】
イギリスで毎年開催される酒類全般のコンペティションです。
イギリスの種類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催。
三つのジャンルに分かれており、香味を評価対象にした「テイスティングアワード」、デザインを評価対象にした「デザイン&パッケージングアワード」、蒸溜所の魅力を評価対象にした「スピリッツツーリズムアワード」があります。
さらに、「ウイスキー」や「ウォッカ」など、お酒のカテゴリごとに27カテゴリに分けて審査されます。
【出品数/賞】
ISCの出品数は、約2000銘柄となっています。
お酒のカテゴリで27カテゴリに分類されており、ジンは「ジン&ジュネヴァ」に分類されます。
「トロフィー」「ダブルゴールド」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の5段階で評価されます。
<ジン&ジュネヴァ部門>
出品数 :299銘柄
トロフィー :1銘柄
ダブルゴールド:2銘柄
(2021年結果)
ISC以外のコンペティションについて以下の記事で解説していますので是非ご覧ください。
2021年の四大スピリッツ(ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム)の上位受賞銘柄は以下の記事で紹介していますので是非ご覧ください。
Plymouth Ginレビュー
ISC2021 ジン&ジュネヴァ部門
Double Gold受賞!
基本情報
名称:Plymouth Gin(プリマスジン)
概要:イギリスで最古の蒸溜所が造る歴史ある正統派ジン
特徴:ジュニパーベリーが香るフルボディの香味
度数:41.2%
内容量:700ml
価格:約1,500円
現在イギリスで稼働しているジン蒸溜所の中で、最も古い蒸溜所で造られる正統派ジンです。
数々の名カクテルのベースとして用いられており、確かな実績を持つジンでもあります。
1896年ドライマティーニの最初のレシピに、ベースとして指定されたのがプリマスジンです。
プリマスジンのメインラインナップは3銘柄
・Plymouth Gin
1793年から造られるオリジナルモデル。
使用しているボタニカルは、ジュニパーベリー、コリアンダーシード、オレンジピール、レモンピール、アンジェリカルート、グリーンカルダモン、オリスルートの計7種。
・Plymouth Gin Navy Strength
海軍が出航の際に必ず持って行ったといわれるジン。蒸溜所があるプリマスは、イギリス海軍の基地があることから英国海軍御用達のジンでもあります。
強烈でどっしりとした香味が特徴。
使用しているボタニカルはオリジナルと同じ7種類です。
・Plymouth Sloe Gin
1883年から造られるスモモを使用したフルーツジン。
オリジナルで使用しているボタニカルに加え、スローベリーを使用しています。
スローベリーやチェリーのフルーティーな香りが特徴。
香味レビュー
一言でいうなら、「正統派ジン」です!
まずは香り…
立香はジュニパーベリーがしっかり香ります。
アルコール感は抑えめ。
流行りの華やかな香りはあまりせず硬派な印象。
続いて口に含むと…
口当たりは非常になめらかでほのかに甘味も感じます。
コリアンダーなどのジンらしい香味も感じられる。
ただしフルボディで満足感のある味わい。
最後に後味…
後味はジュニパーベリーなどのボリュームのある香りはすっと消え、ほのかに香る柑橘類の爽やかな香りが長く残る印象。
外観
高さ:24cm
横幅:9cm
キャップはスクリューキャップで結構浅め。
Amazonのレビューを見ると中味液が「漏れ出ていた…」というレビューもありましたが、猫田が購入したときはそんな気配はありませんでした。
ただし、自分で保管するときはしっかりしめるように注意が必要に感じます。
横に倒す際は確認を!
ボトルの表記は…
・EST.1793
プリマスジン蒸溜所の設立年1793年が記載されています。
・船のトレードマーク
1620年ピルグリム・ファーザーズ(イギリスの清教徒)がイギリス南西部プリマスから新天地アメリカに渡った船「メイフラワー号」がトレードマークとして用いられています。
・グラスを持つ修道士
ボトル裏側に描かれている修道士は、クリアなジンとクリアなボトルを通してボトル前面から見える作りになっています。メイフラワー号とセットの粋なデザイン。
・Black Friars Distillery
プリマスジン蒸溜所は「ブラックフライヤーズ蒸溜所」とも呼ばれています。
ボトルに記載されているということは、こちらが正式名称でしょうか…
蒸溜所
Plymouth Gin Distillery
(プリマスジン蒸溜所)
1793年に設立されたイギリスで最も古い蒸溜所です。
蒸溜所ツアーやギフトショップなど充実しているようです。
観光でも楽しめそうです。
蒸溜所がある場所は、イギリス南西部デヴォン州の都市プリマス。
近くの観光地はダートムーア国立公園。
せっかくならイギリスの南西の端ランズ・エンドまで行ってみたいところ。
受賞歴
SFWSC(ISCよりハードルは甘め)でもDouble Goldの受賞が複数回あります。
ISCでは昨年までもGoldの受賞が数回あり、全体的に素晴らしい結果と言えそうです。
■ISC
2021年:Double Gold
2020年:Gold
2019年:Bronze
2018年:Silver
2017年:Silver
2016年:Bronze
2015年:Gold
2014年:―
2013年:Silver
■IWSC
2021年:Bronze
2020年:Silver
2019年:―
2018年:Silver
2017年:Silver
2016年:Silver
2015年:Silver
2014年:Silver
2013年:Silver
■SFWSC
2021年:―
2020年:―
2019年:―
2018年:Silver
2017年:Silver
2016年:Double Gold
2015年:Gold
2014年:Bronze
2013年:Double Gold
おすすめのカクテル
・ジントニック(★★★★☆)
<つくりかた>
プリマスジン…………………45ml
トニックウォーター………適量
カットライム…………………1/6個
氷とライムを入れたグラスにジンを注ぎ、トニックウォーターで満たして軽く混ぜます。
Theジントニック!
しっかりとジュニパーを感じる香味。
トニックウォーターの甘味、ライムの爽快感、どちらも感じられバランスの良いジントニックと言えます。
Beefeater 24 London Dry Gin
SC2021 ジン&ジュネヴァ部門
Double Gold受賞!
基本情報
名称:Beefeater 24 London Dry Gin
(ビーフィーター24ロンドンドライジン)
概要:ビーフィーターが造る日本の茶を使用したプレミアムな正統派ジン
特徴:程よい苦味を出しつつもビーフィーターらしいまとまりのある香味
度数:45%
内容量:700ml
価格:約3,300円
ビーフィーターのマスター・ディスティラーであるデズモンド・ペイン氏が、日本の茶にインスピレーションを受けて、2009年に発売されたジン「Beefeater 24」。
Beefeater 24は「茶」(日本の煎茶、中国の緑茶)をボタニカルに使用することで、独特の香りと苦みを実現したジンです。
「24」は、24時間刺激的な街ロンドンのイメージと24時間のスティービング(ボタニカルの浸漬)をかけてつけられた名前とされています。
使用するボタニカルは12種類。
日本の煎茶、中国の緑茶、グレープフルーツピール、レモンピール、アーモンド、セビルオレンジピール、コリアンダーシード、オリスルート、リコリス、アンジェリカルート、アンジェリカシード、ジュニパーベリー。
香味レビュー
安心感のあるビーフィーターに隠れた苦味…
まずは香り…
立香は控えめ。
香りが控えめな分アルコール感がやや感じられます。
口に含むと…
ジュニパーと、ビーフィーターらしいシトラス香を感じます。
香りとともに程よい苦味も感じるのがいいですね。
後味は…
ややマイルドに残る印象です。
全体の印象としては、程よい苦味を感じさせつつ、ビーフィーターの香味を崩さないように造られている、ように感じます。
外観
高さ:6.5cm
横幅:27.5cm
高級感あるエンボス加工の赤い瓶。
スクリューキャップですが、注ぎやすい口はさすがビーフィーター。
ボトルの表記は…
・BEEFEATER 24
大きく書かれた24の文字。ラベルも手触りが良く高級感があります。プレミアム感を出していますね。
・トレードマークの赤い近衛兵
ビーフィーターのトレードマーク。中央にひっそりと影が描かれています。
・鍵を加えたワタリガラス
ボトル下部の丸いジュニパーベリーのデザインからボトル内部を覗くと…ロンドン塔を守るレイブン(ワタリガラス)が鍵を加えているイラストが見えます。「伝統の製法を守る」ことを意味しているとか…
こういうちょっとした遊び心が粋ですね。
・1820の表記
ボトルの底にひっそりと「1820」の文字があります。
これは、薬剤師であったジェームズ・バロー氏によってビーフィータージンが誕生した年を示しています。
蒸溜所
ロンドンにあるBeefeater Gin Distillery(ビーフィータージン蒸溜所)で製造されています。
ロンドン中心部にある本蒸溜所は見学ツアーも受け付けているようですので、イギリスに旅行する機会があれば気軽に立ち寄ることができそうです。
思いっきり街中ですね。
受賞歴
ISCでは、2015年に最高位のTrophyを受賞しています!
IWSC, SFWSCでは目立った賞はないものの、Bronzeの少なさは安定感のある品質の表れ。
■ISC
2021年:Double Gold
2020年:Gold
2019年:―
2018年:Bronze
2017年:Gold
2016年:Silver
2015年:Trophy
2014年:Silver
2013年:Silver
■IWSC
2021年:Silver
2020年:Silver
2019年:Bronze
2018年:Silver
2017年:Silver
2016年:Silver
2015年:Silver
2014年:Silver
2013年:Silver
■SFWSC
2021年:-
2020年:Silver
2019年:-
2018年:Gold
2017年:Silver
2016年:Silver
2015年:Gold
2014年:Silver
2013年:-
おすすめのカクテル
ジントニック(★★★☆☆)
<つくりかた>
ビーフィーター24 …………45ml
トニックウォーター………適量
カットライム…………………1/6個
氷とライムを入れたグラスにジンを注ぎ、トニックウォーターで満たして軽く混ぜます。
良くも悪くもビーフィーターらしい安心感のある味わい。
Beefeater24の特徴でもある苦味は、主張控えめでもあるのでトニックウォーターに隠れてしまう印象。
控えめな味わいのためジンの割合を増やしたいところですが、度数は45%とやや高め。
カクテルの作り手の腕が問われますね。
ジンリッキーなどあっさり目のカクテルか、マティーニやギムレットなどのショートカクテルの方が良いかもしれません。
まとめ
この記事では、2021年ISC(インターナショナルスピリッツチャレンジ)のDouble Goldを受賞したジン
・Plymouth Gin
・Beefeater 24 London Dry Gin
の解説とレビューをしてきました。
いずれも正統派のジンではありましたが、フルボディのプリマスジンと、程よい苦味のビーフィーター24、それぞれ違いが感じられます。
正統派で評価の高いジンをお探しの方…是非!
2021年のその他の受賞銘柄についてはこちらの記事で紹介しています。
ジンの基礎知識はこちらの記事で解説しています。